レビューは上巻にまとめて書きました。

2016年3月14日

レビューは上巻にまとめて書きました。

2016年3月14日

みんなが「少年の名はジルべール」夢中な今ジルベールより源頼朝を先に。

少年の名はジルベールをヨーロッパ旅行というめっちゃいいところで置いておいてこちらを読了させましたよ。


ひっさしぶりに触れる鎌倉時代!
日本の歴史全般の本で出てくることはあれど、最悪直近読んだのは大河ドラマが義経になった時の宮尾版平家物語だったのではないでしょうかね。
義経の大河が2005年だから、読んだの2004年か。そりゃ離れて久しいわ。

頼朝があっけない最後だったのを思い出し。
しっかしあんなに疑り深くて義経もあんな目に合わせてしまい、他にも罪もない配下の者を結構殺しちゃってる頼朝が、なんで息子はまともに育てられなかったのかという疑問は残ります。

本当、頼家がひどいんだ・・・。ボンクラ二代目の極み。
でもそういったものなんでしょうかね。徳川秀忠くらいなのかなぁ、ちゃんとした二代目イメージがあるのって。

実朝の死から北条の世になる承久の乱以降がマンガでは30ページくらいで語られてて、あれ、このスピード感で北条編終了か?
と思ったのですが、これはマンガの都合なのか、本当に吾妻鏡がそうだったのか。

しかし最後の見開きで書かれている巻物には「吾妻鏡 巻五十二」
いやいやいやこれは原文今は読めないな。漫画って素晴らしい。

あとがきを見て竹宮先生のご苦労が通じてきます。
でもこうやって、今の人間が鎌倉時代を知る手掛かりになる本をつくってくださって嬉しいです。

義経にせよ、大姫にせよ悲劇に巻き込まれた人に心奪われるんでしょうね、日本の多くの方って。
でもやっぱり私は頼朝が好きだし、北条政子すごいわーと思うし、北条義時の底力に惹かれてしまいましたね。

2016年3月14日

ただしい、を貫き通すことと、善し悪しとは、また違うんだろうなあ

山本五十六、米内光政と来てようやく!!
読み終えました。

春夏秋とかかりましたね。今年の収穫というか、じっくりと、取り組んだ海軍三部作です。

で、いきなり

晩年、東郷元帥をどう思ふかと人に問はれて
と旧仮名遣いになりびっくり。
前2冊を新しいバージョンで買ったのか、と驚いてしまいましたがそうでもない模様。

読み物的面白さ、それはつまり人物としての面白さで言いますと前二作の山本五十六、米内光政の方が魅力的です。米内さんが一番人としては大きいのかな、と感じさせられました。

とにかく、曲がったことが大嫌いなんですね。正しい。本当に正論だし、正義です。
ただしい、を貫き通すことと、善し悪しとは、また違うんだろうなあと読んでいく端々から感じられます。

そういった人もいるのが、組織。
その人と人との相性をもって、何倍にも力を増すことだってあるし、足を引っ張り合って成果を出せないどころか破滅に導かれる組織すらある。

海軍という組織の中ではこのような人が必要だったのだと、3冊読み終えるとわかります。
それゆえ、これを最初に読んでしまった方には、ぜひぜひ山本五十六と米内光政もお読みいただきたいですね。

信念を持ち、組織で、日本で自分がどう生きていこうか。そんなことを思ったりもしました。

考え、行動するためにも、歴史を、先人たちを知っていきたいと思います。

2015年11月12日

読書状況 読み終わった [2015年11月8日]
カテゴリ 小説

この時代に生きていたとして、マスコミに踊らされずに米内さんのことを評価できたのか。

山本五十六でテンポをつかめたのか、1カ月弱で読み切ってしまいました。

五十六さんは、戦争の最中亡くなってしまうし、連合艦隊司令官長なので洋上、海外の世界が多かったのですが、こちらは大臣、総理として日本をきちんと敗戦に持って来て、海軍を終わらせた方。

五十六さんだったり、決定版 日本のいちばん長い日と同じ時間を、別の視野からまた読み進めていくことで、まだまだ浅いですが自分の日本史の世界を複眼的にとらえられていく気がします。

黙して語らず、しかし見ていて、本当に重要な部分は外さない。

この器の大きさから、出世コース外のスタートから、海軍のトップ、日本の総理大臣まで。

見ている人は、見ているわけですね。

ただこの語らない部分が、対民衆、国民に対しては誤解を与える部分もあるのだなと難しく感じます。
この時代に生きていたとして、マスコミに踊らされずに米内さんのことを評価できたのか。
新聞などではわからないこの部分をどうやって知ることが出来るのか。
自信がないですね。

今の政治家を見る時の指針になれば、と思います。

この本を読んでいるとこれまた井上成美
さんの記述が多く、
印象的だった

to live in hearts we leave behind,Is not to die.」
という言葉を贈ったのも井上さんです。

ここまで読んで、いよいよ期待膨らむ三部作のラスト。
読むのを楽しみにしております。

実は、五十六さんは単行本で読み、写真がいろいろ挿入されていたのですが、今回は文庫で読んだので写真が全然無かったのです。
とにかくイケメンであったと描かれた米内さんの写真が見られなかったのは残念と思い、
重たいですが井上さんも単行本で読む予定です。
秋突入に向け、いい読書スタートが切れそうです。

2015年9月16日

読書状況 読み終わった [2015年9月13日]
カテゴリ 小説

平賀源内の無念が、青沼の信念が、後世にて繋がった。

遂に赤面疱瘡が、この日本を揺るがし、女性が将軍になったきっかけの病気に手立てが。

なんとも印象的だった、平賀源内の死と青沼の死罪から時を経て、意志を継いだ者たちの執念がようやく実を結びます。

それには治済のもと何もできなかった家斉の力添えがあってこそだったわけですが、まあ御台所が素敵なこと。
命を懸けてのやりとりがね。家斉を救うんだけど、そこでもう御台への愛が途絶えちゃうのがね、この男の器といいますか、おぼっちゃんの限界なんでしょうね。
そこからまめまめしく愛を育んでほしかった。
でも、そうなれないのが男性なのかなあ、とも思ったりしました。

高橋景保の、その最期の説明を見て、ああ、いたなあこの人!と歴史の教科書の記述を思い出したわけですが、こういう教科書では1行に表される人の人柄、人生を活き活きと伝えてくれるマンガであり、小説でありというのは本当に素敵な世界だな、と思わされます。

次巻13巻は2016年初夏発売予定。5月かな。
これはどうも、15巻では終わらない気がしてまいりました。もっと読みたいですしね。

2015年9月6日

読書状況 読み終わった [2015年6月26日]

この著作のタイトルは昔から知っていた気がしますが、他の半藤さんの本を何冊か読んでから読むこととなりました。

終戦というものの自分の中の理解がいかに限られたものであったか、と実感させられる本でした。

原爆、ポツダム宣言、からのラジオで「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・」ときかされて終わり、というイメージでしたが、こんな血だらけな、まさに命がけのやりとりが皇居付近で昼夜行われていたとは。

教科書でなんて書いてあったんだろう?授業だと3学期になって、駆け足で近代史をばーっとやられるのでもはや覚えていないのか?センター試験日本史選択、いやそれ以外にも日本史を利用したので、高校の日本史の教科書は最後まで読み通しているはずなのに、それにしても全くイメージと違うことに驚きです。

テクニックとしての日本史と、物語としての日本史の違いなのでしょうか。

とは言え、この話はもう日本が敗戦必至、のところからスタートしているのでこの登場人物たちに対し、散り際だけを見て判断を下すわけにはならぬ、と思います。
これまた他の本を読んで、知っていきたいと思います。

あとがきを読むと、文芸春秋の編集部次長の仕事をしながら、毎朝4時起きで原稿をしたためていたと。
この内容を世に出すことが使命だ、とも思うのも仕方ない、内容でありました。

2015年6月13日

読書状況 読み終わった [2015年6月5日]
カテゴリ 教養

以前読んだ昭和史が面白いが面白かったのでこちらも読みました。
読む順番が逆ではありましたが、楽しかったですね。

鼎談形式でテーマごとに会話ベースで進んでいく話。
日本の基礎部分にあたる古事記、日本書紀から読み返してみたいなと思いました。

自分の頭のなかで単語ベースに残っているものを、物語として、人間として再構築していきたいなとおもいます。
数年のスパンで土台から、知識を蓄えて行くための道しるべの一冊でした。

2015年4月28日

読書状況 読み終わった [2015年3月26日]
カテゴリ 教養

近代史復習へのきっかけに

これまた終始早口なたけしさんのテンポに乗ってどんどんと
読んでしまった本。

丸善&ジュンク堂
確かに、学校で習う日本史って中学でも高校でも、
近代史ってほとんど記憶にないところ。

だから新鮮に感じるし、この本だけでは単語があっても、その中身を
覚えていない、という項目も多い多い。

これをとっかかりに、日露戦争の本を読みたいと思いました。

自分の知らない事が多々あり、最近はとみに、日本史を改めて
知りたい、と思うことが多いです。
センター試験は日本史の為、その他の選択をされた方よりも
触れていたのにな、表面的な対策に過ぎなかったんだなと思うこと
仕切り。
自分で、丁寧に生きた人たちの心情を捉えられる本を探して
行きたいと思います。

2014年12月12日

近代史復習へのきっかけに

これまた終始早口なたけしさんのテンポに乗ってどんどんと
読んでしまった本。

丸善&ジュンク堂
確かに、学校で習う日本史って中学でも高校でも、
近代史ってほとんど記憶にないところ。

だから新鮮に感じるし、この本だけでは単語があっても、その中身を
覚えていない、という項目も多い多い。

これをとっかかりに、日露戦争の本を読みたいと思いました。

自分の知らない事が多々あり、最近はとみに、日本史を改めて
知りたい、と思うことが多いです。
センター試験は日本史の為、その他の選択をされた方よりも
触れていたのにな、表面的な対策に過ぎなかったんだなと思うこと
仕切り。
自分で、丁寧に生きた人たちの心情を捉えられる本を探して
行きたいと思います。

2014年12月12日

一年間じっくり味わっていきたい 大奥11巻

ゾクっとする恐ろしさ。
でも、人の優しさ、温かさが見える。
希望が見える。
だから、12巻を楽しみに待ちたいと思う。

本当、去年読んだ10巻は涙涙、嗚咽が出たくらい
絶望的でもあったので、嬉しく次巻まで待てそうです。

次巻大奥12巻の発売は2015年の秋ということです。
映画化された頃は一時期は発刊ペースが縮まり、大丈夫?!
と思っておりましたが、また年一刊行ペースに戻りましたね。

15巻、いや14巻で完結かな、となんとなくゴールが見えてきたことに
寂しさを感じます。

しかしながらこの厚みにセリフ量。
小説だとしても成り立つ情報量だと思います。
一年間じっくり味わっていきたい作品ですね。

2014年9月4日

読書状況 読み終わった [2014年8月28日]

縄文時代から二・二六事件までボケまくる 爆笑問題の日本史言論 爆笑問題

爆笑問題の本読書シリーズ。今回は日本史言論です。
日本史をテーマに爆笑問題の漫才が繰り広げられていきます。

ただ、漫才のように見えて、今回ばかりは本の上の太田さんだな、
と思うのは説明量。
どうしても、歴史なのでその最低限の背景は説明しないと
いけないのですが、そこがどうしても実際の漫才としては
無理があるかな、と感じてしまいました。

ただ、最後の「平安時代の巻」にあった
「泣くよ徳光、平安京」から「関白するか?藤原紀香?」
の下りはテンポよく、笑ってしまいましたので、
続刊があるのであれば、慣れてきて面白くなっていくのでは、と
思いました。

(調べてみたら、他にありそうですので、読んで行きたいと思います。)

日本史は学生時代に学習しましたが、やっぱり、深堀して
知っていきたい、と思っていますので、解説部分にある本なども
読んで行きたいです。

2014年7月8日

読書状況 読み終わった [2014年7月6日]
カテゴリ 教養

マツコ・有吉の怒り新党を見ていると数か月に一回出てくる
「名字談義」。ここでマツコさんは有吉さんに
「有吉佐和子先生と同じ」というのを必ず言うんですよね。
それで気になって読んだという。

有吉先生の著書というと昔「恍惚の人」は読んだけどそれっきり。
「複合汚染」と悩んだけど遊女関連の調べ物でも出てきたのでこちらを
読むことにしました。

横浜にある遊女屋が舞台。
その「岩亀楼」というのが今どこにあるのかと思ったらなんと
横浜スタジアム。

灯篭がスタジアムの横の日本庭園にあるらしい。
横浜スタジアムは良く通るのですが、日本庭園があることすら
知りませんでしたよ。
今度見てみよう。

さて、物語ですが、吉原から横浜に流れ着いてきた病気中の遊女が、
翻訳者と恋に落ちる。
なんとか仕事復帰できる程度になったら、アメリカ人に見初められて
しまう。

当時、外人と一度関係を持つと、日本の男は二度と手を出さないという
一文にびっくりしましたが、
日本の人ってそういうところ往々にしてあるな、と
自分も日本人ながら納得。

アメリカ人が嫌なのか、結ばれない恋を嘆いてなのか、ただ
世をはかなんでなのか、女は喉を切り自殺してしまう。

そこから人の噂があらゆる方向に進んでいくのがこの物語の肝。
恐ろしい人間心理を、お園という芸者が操っていきます。
操っているということに気づくのも後半になってからなんですけど。

お園という名前を聞くとどうしても「魔女の宅急便」のパン屋のオソノさん
をイメージしてしまうことと、前半の陽気な、からっとした会話を
見ていたのであれよあれよと膨らんでいく物語に
引きずられていくような形になりました。

ラストシーンはまさに、ふるあめりかに袖も何も濡れて
歩いていく様子が目に浮かぶようで、
ただその脳裏に浮かぶシーンの中で幕が降りるのを待つ、
という気持ちになりました。

その後に「華岡青洲の妻」も入っていました。
NHKでドラマ放送されていたな、この作品も有吉先生の
作品だったのね、と軽い気持ちで読んだら、怖い怖い。

嫁姑の、夫が家にいるかいないかでの真逆な関係性。
母親が息子を愛する強い気持ちは、やっぱり美しくないなと
いつも感じてしまいます。

そんな女通しの争いを見ることによって、
結婚することが怖くてできなくなってしまった
妹の気持ちがよくわかります。

これはドラマ・舞台で繰り返し利用される演目でしょうね。
自分の体を犠牲にして「勝った」と思う女の恐ろしさよ。

男性ははたから見ていても、深淵にある恐ろしさとか
全然気づかないんでしょうね。
もしくは、知っていてしらんぷりなのか。
女は怖いし、男はずるい。

二作あわせて、盛りだくさんの一冊でした。

2014年6月11日

読書状況 読み終わった [2014年6月8日]
カテゴリ 小説

男の小説、を感じた 利休にたずねよ 
千利休、豊臣秀吉といった歴史上の人物を一人称にしながら
10数ページの単位で、利休切腹の時から徐々に過去に遡っていく物語。

冒頭、険悪を極める利休と秀吉が、あるところから過去になると、
急にお互いを認め合うようになっていきます。

つまり、お互いの力を誇示しようと貪欲になった瞬間に、
双方が邪魔になったということ。

古溪宗陳が語っている三毒、貪欲、瞋恚、愚痴、すなわち
むさぼり、いかり、おろかさという炎に包まれて逃げられない人たちが
数多く出てくる本です。

利休がずっと懸想している女性について、
エピソードがラスト前に出てきたのですが、
利休が手に入れることが出来なかったから懸想しているんだなと。

茶の湯の世界とと一緒で、不完全だから美しい。
普通に手に入ってしまったら、その瞬間に利休は興味を失ってしまうはず。
そう考えると、利休は幸せになれない人だよな、と思います。

女性の視点からすると、女性が良くて茶器と同等にしか扱われていない
世界はちょっと嫌だなあ、登場している女性は幸せじゃなさそうだもんなぁ
というちょっと微妙な世界でありますが、それが戦国時代なのかなとも思いました。

2014年4月1日

上巻はドラマの影響も受けていたのですが、
下巻ではいよいよ自分の脳内に江戸の大奥の姿がありありと浮かんでくるようになりました。

とはいえ、自分の脳内のイメージを作ってきたのは、
そのようなドラマだったり、歴史の教科書の挿絵だったり、
全国の寺社に行った際の風景の蓄積ではあるのですが。

そんな空想を働かせていると、
将来、制約のない暮らしができるのならば、
自分が寝殿造りを基本として、夢殿も配置する家に住みたい。
と学生時代に思っていたことを、10数年ぶりに思い出しました。
渡殿を使って池の上を移動して隣の部屋に移動。

今思うと雨の日どうするんでしょうかねという感じですが。

そんな脳内の使っていないところを活性化させながらの読書だけに、
下巻の半分くらいお万の方を苛むことになる、
閨での家光に抱かれている際に伸平を浮かべてしまう場面では
もうドキドキです。

ここの描写が抜群です。吉屋さんの筆力が存分に伝わる本の中でも、
後ほどフラッシュバックするほどのインパクトがあるシーンでした。

この徳川の夫人たちには続もあるとのことで、こちらも
読むのを楽しみに、読みたい本リストに入れたいと思います。
こう思うと、日本の歴史にまつわる小説の幅広く、面白いことよ!
遅すぎるということはありませんので、気になった本を引き続き、読んで行きたいと思います。

2014年3月17日

読書状況 読み終わった [2014年3月16日]
カテゴリ 小説

母親の息子を思う気持ちは見苦しい

漫画の大奥の最後で参考文献が掲載されており、
理解を深めるため、また吉屋信子さんの本を読みたい、
ということで読みました。

漫画の大奥の2巻から始まる家光時代のみならず
ドラマで放送されていた大奥第一章も含めて、
この小説が与えた影響は大きいですね。
そのせいか脳内は春日局は松下由樹さんの
ビジュアルイメージで進んで行きました。


大きな感想は、「母親の息子を思う気持ちは見苦しい」
なのですよね。
春日局の息子を思う狂信的な気持ちが
日本を動かしていく様は、
見苦しいとしか言いようがありません。

お万の方に接して思うのは、過度な美しさは
決して幸せではなく、
不幸を呼び寄せるということ。

本人の意思に関係なく羨望と、嫉妬という感情を
呼び寄せてしまう外見は、
人にとっては武器になり、人によっては狂気になると、
実際に余りに美しすぎて、逆に幸せに生きられて
いないのでは、と思う人を見たことがあるので
そう感じています。

お万の方の心映え、振る舞いには心が洗われる思いで
いますが、
上巻の段階で春日の局が逝去となると、
このあとまだ長い下巻の事を思うと、
若干気が重くなります。

2014年2月18日

ついに終了してしまった 竜馬がゆく 8巻 文春文庫

読み終わってしまうのが残念な物語でした。
坂本龍馬が若くして暗殺されている、
というゴールだけは知っているため、
読み進めるのが辛い気持ちもあり、はやる気持ちもあり
という複雑な心境でいました。

勝海舟と西郷隆盛の無血開城の石碑を見たことがあるのですが、
この出来事にはとうに竜馬は居なくなっていたのですね。

途中の巻の、じれったいほどの凪が、嘘のような忙しさで、
日本という国を作っていった竜馬。

「女が才能豊かに生まれつくということほど、不幸はあるまい。
その表現の場が、この世にはないのである。」

と乙女に対して思っていた頃から150年ほどで、
日本は大きく変わりました。
この変化こそが、竜馬の功績なのだと、感謝の思いで本を閉じました。

2014年1月4日

物語も後半、いよいよクライマックスに向けて現状が二転三転します。
海援隊や、薩長をその気にさせておいてのまさかの竜馬の策。

これがラスト1巻でどうなるのか。
日本のゆくえと、竜馬の人生のゆくえが、あと400ページ程度で
決まり、終わってしまう。
読むのが楽しみであり、さみしくもあります。

司馬先生の著作を、日本の古い順から読んでみたい、
という気持ちになっています。
あと1巻を残した段階で、本当に、読んで良かった!と思える本です。

2013年12月21日

「ひょんなこと」で人生は変わる。人間が変わる。

この巻はまさに「ひょんなこと」につきると思います。

寺田屋事件という事件を生き延びた竜馬は、
5巻、いや6巻の寺田屋事件の前までの竜馬とは
別人になってしまいます。

おりょうの存在と、おりょうへの想いが、
この後竜馬の人生にどうかかわっていくのか。

この先の展開を全く知らない私にとっては、
このおりょうの存在が、竜馬の人生に影を落とすのではと
不安に思ってしまいます。

女性に好かれない、おりょうの力が本を通じて私にも
伝わってきているのかもしれません。

2013年12月1日

10月上旬から発売を心待ちにしていた1冊。

1回目号泣し、読みながらはっとした部分を中心に再度
読み解いて2回目もさらに号泣。
気が付くと夜の2時になっていました。

1巻から数々の報われない人たちが出てきては、
消えていく、=亡くなっていくわけですが、
今回はその数、エピソード共に多かった。

ただ、このエピソードが、この物語があと数巻
進んだ頃に誰かを助けることになるのでは、
という一縷の望みがあるのが救いです。

次巻大奥11巻の発売は2014年の6月~8月くらいでしょうか。
前は年一回、12月発売でしたがここ3巻は発売日に
大いにぶれがあるので注意を払いたいと思います。

2013年11月14日

順調に読み進み、残りが3冊になってしまいました。
長州から薩摩からピントが移っていき、
西郷隆盛が登場します。

今まで教科書の文字で見ていた出来事のはずなのに、
同じ文字を使って書かれているはずなのに、
この本では出来事、人間が息づいていて、
この時代の人が、日本がどうなって行くのかが気になり、
ついついページをたぐっていってしまいます。

5巻の竜馬の交渉術。

「金よりも大事なものに評判というものがある。
世間で大仕事をなすのにこれほど大事な物はない。
金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ」

ついつい目の前のちょっとしたお金にくらんでしまいそうになりますが、
こういう意識づけ、心がけをして行動をしたいと思います。

美しい、様々な日本語がちりばめられているので、
辞書を持って逐一チェックしたい、とも思う一冊です。

2013年11月13日

交渉術、というか議論術、竜馬独特の議論の場における会話術、
自分の在り方について非常に参考になります。

今自分がそういった本を探しているのですが、
下手なビジネス新書より、この小説を読み進める方が
ためになりそう、と思っています。

また、勝が出かける際に、日本の官僚が次々と
ついてくることに対し、日本はこれで亡びると
竜馬に話す場面がありました。

今の日本で言うならば押印主義、その場で何も決めることが出来ない
サラリーマンと諸外国との違いではないでしょうか。
この頃の日本と今の日本は根本的に変わらない。
これが日本の本質なのでしょうか。

そうやって、日本は諸外国に比べてどんどん国力が劣って行くのか、
という危惧を感じました。

2013年11月5日

前半、

(実が要るのさ)
竜馬にも、いまは身もふたもない。しかし、作り上げたい
と夢想はしている。

といっていた竜馬が
勝海舟に出会い、ようやく一歩、階段を上ります。

そして後半ではいよいよおりょうと出会います。

そこで再び出てくる寺田屋のお登勢さんが実に格好いい。

「伏見の寺田屋というのは、天下の共有でお登勢のものじゃありません」

という台詞は、私の脳内では魔女の宅急便の中のオソノさんに
変換されておりました。つまりは戸田恵子さんか。

今後もお登勢さんにも注目しながら読んでいきたいところです。

田鶴さんはかわいそうなところがあるけれども、
竜馬がおりょうに惚れた理由が書いてあり、
それが至極納得のいくものだったので、
こればっかりは仕方のないことなのかなと。

竜馬に惚れた女たちのその後、もどう描かれるのか、楽しみです。

2013年10月29日

歴史小説というのは、基本的に、会話文、登場人物の心情、
それに地の文とで構成されていると思っていたのですが、
司馬さんの小説は、地の文ではなく、
司馬さんが地の文プラス解説者として出てくる、
そして場合によっては語りかけてくれる
ということを知りました。

私の中で物語の中で、登場人物以外が細く説明をしてくれる
キャラクターで印象に残っているのが
スラムダンクでバスケの解説に出てくるDr.T、
OH!MYコンブで料理の説明をする
秋元おすしこと秋元康です。

そんなことを思い出しながら、読んでいました。

冒頭ゆっくりとした流れ、というかむしろ凪の時期であり、
どうなるかと思いましたが
終盤で竜馬が駆け始めました。

3巻からはもっとスピードが加速していくのだろうと、楽しみでなりません。

2013年10月23日

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