太公望 (下)

  • 文藝春秋 (1998年7月17日発売)
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太公望呂尚 と言えば伝説の人である

殷(商)の紂王の暴政を避け、40年隠棲し、その後、周でも隠棲・・
3年間何も釣れないままひたすら釣り糸を垂らし続けた
その後、大きな鯉を釣り上げ、腹の中から『平法書』を得た。
周の文王はその噂をきき、太公望に逢い、そのまま彼は
周王の車上の人 となる。
文王の子、武王が 殷王朝を倒した時、周公、召公と共に羌公(太公望)
は活躍した。

200歳近くなり、自ら死を予告し死んだ。。。


さて。宮城谷作品である『太公望』

望が属する羌族(牧羊民族)が、殷の言われ無き殺戮を受け
族長の息子・望を含む6人の子供達が脱出・・・
殷王朝への復讐を誓うところから始まる。。

鬼公や謎の老人との出会いが、
人の1歩半前 を行く 望 の才 を大きくして行く。

力を付けた望はやがて、周王に協力する形を取りつつ、
殷王朝に屈しないが周をも嫌悪し続ける 召国 を説き伏せ
ついに 望 は周召誓盟 を成す。

軍法を始め、殷時代の古き思想を変革させ
望 は周に多くの力をもたらした。

自らの理想の邦
『人々が斉(ひと)しく住める』 斉国を誕生させる


宮城谷作品のヒーロー達は、常に『仁』と『義』の人であり
大きな不幸を超えたところに、大きな幸せが待っている・・という
希望を描き続ける作品なんだよな・・と改めて思った

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宮城谷昌光
感想投稿日 : 2012年8月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年8月19日

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