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鴨川食堂ひっこし (小学館文庫 か 38-13)
- 柏井壽
- 小学館 / 2023年3月7日発売
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STORY BOX2023年3月号紅白餅、書き下ろしボルシチ、カレーうどん、の3つの連作短編。タイトル通りの鴨川食堂のひっこしが3編を通して語られる。また依頼人はいずれも流さん、こいしちゃんのお知り合いの方が登場。それだけに、食の謎にも流さん、こいしちゃんがかかわる展開になるのが面白い。ひっこし後の食探しは役割りが少し変わるような話もあって次回が楽しみです。
2023年3月30日
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後宮の烏 7 (集英社オレンジ文庫)
- 白川紺子
- 集英社 / 2022年4月21日発売
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2022年4月集英社オレンジ文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目にして最終作。あっさりした終りで、少し拍子抜け感あり。カバーイラストの寿雪は、イメージが変わったように思ったが、これがホントの寿雪なのかも。
2023年3月30日
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京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く (PHP文芸文庫)
- 白川紺子
- PHP研究所 / 2022年7月7日発売
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2022年7月PHP文芸文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。壺法師、春に呪えば恋は逝く、龍神の花嫁、番外編枯色桜、の4つの連作短編。神を降ろす澪が興味深い。ホラーじみた表現もありハードな展開が驚き。枯色桜は何で番外編なのか謎。
2023年3月30日
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京都くれなゐ荘奇譚(三) 霧雨に恋は呪う (PHP文芸文庫)
- 白川紺子
- PHP研究所 / 2023年3月9日発売
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2023年3月PHP文芸文庫刊。書き下ろし。シリーズ3作目。この子の七つのまじないに、霧雨に恋は呪う、雨宿り、潮の家、の4つの連作短編。因縁の仲の高良と二人を取りまく仲間たちとの関係の中で澪が呪術世界の問題を解決していくところが主題になっている。ただのホラーになってるんだけど、こういう話だったけ?。展開が前巻までとちょっと変わってしまったんじゃないかと思います。
2023年3月30日
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3分で仰天! 大どんでん返しの物語 (宝島社文庫)
- 『このミステリーがすごい!』編集部
- 宝島社 / 2023年1月11日発売
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2023年1月宝島社文庫刊。宝島文庫の5分で読める!ひと駅ストーリーシリーズ2014年9月刊猫の物語から1編、2015年10月刊食の話から1編、2015年12月刊旅の話から1編、2013年7月刊夏の記憶東口編から1編、3分で読める!シリーズ2020年6月刊コーヒーブレイクに読む喫茶店の物語から7編、2021年7月刊眠れない夜に読む心ほぐれる物語から10編、2022年5月刊誰にも言えない○○の物語から4編、の計25編のショート・ショートを収録。大どんでん返しというよりも以外な結末といったほうがしっくりくる話をチョイスしてあり、このミス!のレベルの高さが再認識できる面白いショート・ショート集。ミステリばかりではなくファンタジー、ホラーもある多彩さが楽しい。再録なので、あっ読んだ!と記憶にあるもの、ないものがあり、その思いもまた楽しいです。
2023年3月30日
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遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー
- 田丸雅智
- 光文社 / 2022年12月21日発売
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2022年12月光文社刊。書き下ろし。「遅刻する食パン少女」という定番なシュチエーションがあるというのを知らなかったので、帯にある「ベタなシュチエーションからの、想像ナナメ上の結末」という意味がわからず読み始めました。なーんだ「お医者様はいらっしゃいませんか」「前の車を追ってください」というような定番の状況から始まる少し不思議な展開と結末の10編でした。アイデアは良く、いずれもそれなりに面白い。気の利いたものもあり、どーということのないもの、無理やりなものもあり、多彩というところが、楽しかったです。
2023年3月28日
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最後の戦慄 〈新装版〉 (徳間文庫)
- 今野敏
- 徳間書店 / 2022年11月9日発売
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1989年7月トクマ・ノベルズから書き下ろしのガイア戦記を刊行。改題して、2010年1月徳間文庫化。2022年11月徳間文庫新装化。シド・アキヤマシリーズ2作目。日本政府から依頼され、アキヤマはプロフェッショナル4人を集めて人為的に異能化された4人の殺戮者に対抗する。達人の陳の技が素晴らしい。今野さん初期のバイオレンスアクションものだがそれなりに楽しく面白い。しかし、飛ばした1作目はもういいかな。
2023年3月27日
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マル暴甘糟 (実業之日本社文庫)
- 今野敏
- 実業之日本社 / 2017年10月4日発売
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ジェイ・ノベル2013年10月号〜2014年7月号,9,10月号掲載のものを2014年12月実業之日本社から刊行。2017年10月実業之日本社文庫化。マル暴シリーズ1作目。任侠シリーズに登場した甘糟さんの本編ということで読んで見ました。自信なげな甘糟さんの推理する過程がたいへんに面白く、興味深い。今野さんが語る警察小説は、いつも楽しくわくわくします。
2023年3月27日
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(新装版)警視庁神南署 (ハルキ文庫 こ 3-49)
- 今野敏
- 角川春樹事務所 / 2022年3月15日発売
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1997年5月ケイブンシャノベルス刊。2000年1月ケイブンシャ文庫化。2007年2月ハルキ文庫化。2022年3月ハルキ文庫新装化。神南署シリーズ3作目。長編。安積さんが登場するシリーズの初期の話で、展開に野暮ったさがあるものの、登場人物達は、最新版と変わらず魅力的だった。
2023年3月27日
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(新装版)神南署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-50)
- 今野敏
- 角川春樹事務所 / 2022年4月15日発売
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1998年11月ケイブンシャノベルス刊。2001年12月ハルキ文庫化。2022年4月新装化してハルキ文庫刊。スカウト、噂、夜回り、自首、刑事部屋の容疑者たち、異動、ツキ、部下、シンボル、の9つの連作短編。神南署シリーズ4作目。東京湾臨海署安積班シリーズの前のシリーズになり、年代が古いこともあって、少し違った趣きはあるものの展開が面白く楽しい。このシリーズも読もうと思う。
2023年3月27日
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任侠楽団 (単行本)
- 今野敏
- 中央公論新社 / 2022年6月21日発売
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中央公論2021年3月号〜2022年2月号連載を2022年6月中央公論新社から刊行。シリーズ6作目。今回はオーケストラ立て直し。読者目線の日村が、親分と警視庁の碓氷の間に入って、心配するのが面白い。碓氷さんって、こんなにとぼけたキャラでしたっけ。
2023年3月27日
小説宝石2021年3月号〜2022年3月号連載を2022年5月光文社刊。シリーズ2作目。機捜235の高丸と縞長が職質した人物はテロ事件へと繋がり特捜班が組織され、やがて捜査本部が立ち上がる。実際の警察内部でこういうダイナミックな作戦が立てられることがあるのかはわからないが、シリアスな展開が面白い。楽しめました。
2023年3月27日
小説現代2022年12月号掲載のものを2023年3月講談社から刊行。大森署の新任キャリア藍本署長シリーズが開幕。周りの人が一瞬にしてその虜になる、異能と呼んでも差支えない美貌というのがどんなものなのかとても興味があるが、その展開には笑ってしまうし、その手腕には喝采を送ります。新しいヒロインの楽しい警察小説です。
2023年3月27日
小説新潮2019年9月号空席、2017年7月新潮社刊アミの会(仮)惑—まどう—:内助、小説新潮2018年7月号荷物、2020年2月号選択、7月号専門官、9月号参事官、2022年1月号審議官、2月号非違、書き下ろし:信号、の9編を2023年1月新潮社刊。毎度のことながら、全ての話が面白い。竜崎が去った後の警察署の話は楽しい。問題を竜崎に相談するだけで解決するくだりに納得してしまう。そういうことあるあるです。
2023年3月27日
読楽2021年2月号〜12月号掲載のものに加筆修正し、2022年11月徳間書店から刊行。揉み治療を行うお梅が感じる世界についての記述がありがちだが、それなりで面白く楽しい。普通の人には犬と鼠に見える十丸と先生がついているという不思議な展開には必然性が感じられず戸惑いました。次作もあるようなので、世界観かどうまとまって行くかというところが楽しみです。
2023年3月27日
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笑う反骨 神田のっぴき横丁3 (二見時代小説文庫 ひ 2-29)
- 氷月葵
- 二見書房 / 2023年1月26日発売
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2023年2月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ3作目。消えた千両役者、負けじの絵師、大名を見下す男、家内の乱、笑う反骨、の5つの連作短編。時代の世相を反映した事件が起こるが、生き死に関わる大事になることはなく、あくまで横丁世界での事件として描いてあるところが楽しく面白い。それでもどうなる感や良かった感満載でうまい展開だと思います。
2023年3月21日
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神田のっぴき横丁1 殿様の家出 (二見時代小説文庫 ひ 2-27)
- 氷月葵
- 二見書房 / 2022年5月26日発売
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2022年6月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。老中一派、名奉行金さん、裏をかく者、明かせない仕事、言わずの家、の5つの連作短編。幕閣の勢力争いから離れて隠居道を進むことになった登一郎の長屋住まいが楽しい。長屋の面々等登場人物も面白そうだ。さて、次巻が楽しみ。
2023年3月21日
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深川にゃんにゃん横丁 (新潮文庫)
- 宇江佐真理
- 新潮社 / 2011年2月26日発売
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小説新潮2007年2月号ちゃん、7月号恩返し、10月号菩薩、2008年1月号雀,蛤になる、4月号香箱を作る、8月号そんな仕儀、の6つの連作短編を2008年9月新潮社刊。2011年3月新潮文庫化。猫の仕草に「香箱を作る」というのあるなんて全く知りませんでした。宇江佐さんにしては、軽めで平凡な展開が続きますが、ラストの「そんな仕儀」は心に残るぐっとくるお話でした。
2023年3月21日
小説すばる2009年11月号餓鬼の田、小説野生時代2016年12月号〜2017年3月号フーグ、2017年12月号,2018年1,3〜6月号白鳥の歌、怪と幽vol.0102022年5月こっくりさん、の4つの中短編を2022年11月角川書店刊。餓鬼の田で、美晴の青田への気持ちが一瞬で覚めるシーンにインパクトを感じ、4編中で最も短い話だが最も印象に残った。フーグは繰り返す不思議な現象と混迷する謎に興味を惹かれ楽しめた。ラストがややわかりにくいものの驚きの展開だ。白鳥の歌、こっくりさんは構築された物語世界の怪しさにすっかりアテられてしまった。貴志さん流の面白い世界観が4作にはある。
2023年3月20日
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優莉結衣 高校事変 劃篇 (角川文庫)
- 松岡圭祐
- KADOKAWA / 2023年1月24日発売
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2023年1月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ番外編だが、結衣の北朝鮮での戦闘冒険ストーリーで、本編並の仕上り。北朝鮮のミサイル(ロケット?)で日本への帰還を果たすあたりは荒唐無稽なファンタジックさで、とっても痛快。さすが結衣。本編も新刊が出るようで楽しみです。
2023年3月20日
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探偵の探偵 桐嶋颯太の鍵 (角川文庫)
- 松岡圭祐
- KADOKAWA / 2022年11月22日発売
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角川文庫2022年11月刊。書き下ろし。探偵の探偵番外編。探偵の探偵は暴力描写にうんざりした経緯があるので、こわごわ読みました。女子大生を救おうと動く桐島探偵の活躍は読んでいて爽快でした。
2023年3月20日
第1回警察小説新人賞受賞作を2022年12月小学館刊。なるほど事件を探索するちょっとした身の上と特別な能力を持つ子供たちとそれに関わる大人世界の人たちという構図は江戸時代ものでなければここまで自然には描けない。よく出来た緻密な設定で楽しめたが、遊びが少ないというか、がっつり感満載で、疲れてしまった。さて、麻宮さんの次作はどういうものになるのか、とても楽しみです。
2023年3月20日
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武士の流儀(八) (文春文庫 い 91-19)
- 稲葉稔
- 文藝春秋 / 2023年2月7日発売
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2023年2月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ8作目。男の矜持、後ろ盾、本屋の男、小悪党、の4つの連作短編。風烈廻り与力を隠居した清兵衛の事件簿。ちょうど良いお節介をやいて、程よい解決をするというところが面白い。
2023年3月20日
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武士の流儀(七) (文春文庫 い 91-18)
- 稲葉稔
- 文藝春秋 / 2022年6月7日発売
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2022年6月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目。縁の下の力持ち、復讐、迷える髪結い、組糸屋の女、の4つの連作短編。妻の安江さんの存在が楽しく面白い。組糸屋の女では、安江さんも事件に巻き込まれたようなことになってしまって、清兵衛と一緒に事件解決までの道をたどることに…。武士の妻の流儀とでもいうような安江さんのセリフが楽しい。
2023年3月20日