東方見聞録 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2020年12月24日発売)
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感想 : 4
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誰もが知っている長大な旅行記を要約して読める。広大なユーラシアを往来するイタリア商人は恐らく他にも多かったのだろうが、マルコポーロはストーリーテラーの才覚に恵まれ、ほかにする事が無い獄中生活でそれが華開き、小説家の才を持った人物との出会いによって、後世に影響を与える見聞録に昇華したというのは、面白い経緯に感じた。西洋人の彼だが、モンゴルの脅威や恐ろしさを説く箇所は無く、大ハーンの偉大さとモンゴルの平和が全ての前提になっている。商人としてその恩恵を存分に享受したのでそれが自然ではあるが、大ハーン目線は当時の人類の重心がどこだったかを如実に語っていて、今日の西洋目線との対比も一興。もっとも所々貴重な記録を含みながら、ジパングのくだりなどはほぼデタラメで、全般にホラ話として話半分に読まねばならない。実見と伝聞が混在しかつ誇張されているので、そこを選り分け、資料的価値のある箇所をよりハッキリさせた解説が欲しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2021年2月11日
読了日 : 2021年2月11日
本棚登録日 : 2021年2月11日

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