戦国時代 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2019年7月12日発売)
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本棚登録 : 60
感想 : 3
5

大変革期の時代を各種要点からバランス解説した、戦国時代に興味を持ち始めた人の必読書。他者の侵略を許さない最適解として「国」造りがあり、その必要条件とは何か、を各地の代表的(=勝ち残った)戦国大名の来歴を通しながら見ていくので、腑に落ちやすいし、興味が途切れることが無い。肝心なのは小領主階層からして、生き残りへの模索と権利拡大を求め、大名の領国支配体制はその妥結点を探った結果でもある点。また国造り(人々の組織化)は都市化を促進し、経済政策、建築技術、物流の発展と繋がりれは地域社会の再編を促し、日本いう括り自体を中世から引き上げもした。進化しなければやられる、という状況がそうさせるのだとしたら、この時代は過酷でもあり活気でもあるように感じる。それにしても列島各地での、築城、城下町、鉱山、造船、武器(鉄砲)等々の開発ラッシュにあって、よく職人が足りたなと驚きで、近代のモノづくり国家の礎はここが起点ではないかとさえ思った。原著は70年代に上梓され、最新研究を踏まえ25年後に再編されたものだが、それでも20年前の本、にも関わらず史観の適確さには古さが全くない。名著とはそういうものだと感銘を受けた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2019年8月25日
読了日 : 2019年8月25日
本棚登録日 : 2019年8月25日

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