
子供の頃からいつの間にか野球のルールを覚え、テレビをつければ野球が見れるのが当たり前だった自分にとって、現代の子供にはそれが当たり前でなくなっている、という事実は不思議なほど盲点だった。それだけ過去野球が日本人に浸透してきたという事だが、それが今後も続く保証はどこにも無い。野球界にとって真に危機的なのは、環境が昔と変わってきている事自体よりも、それへの危機感や関心に乏しいこと。本書の扇情的なタイトルはその問題点を喚起しようとしたもの。そんなテーマだけに、自虐的だったり(サッカー界などに対して)隣の草は青い的な筆致も散見されるが、これはあえて書かれている。相変わらず紙面や地上波メディアが取り上げるのは野球がメインの現状だが、その2大メディア自身が衰退傾向にあることも懸念事項。一見華やかな世界もその実深刻な不安材料を抱えている、という典型を見たような読後感だった。
- レビュー投稿日
- 2017年1月28日
- 読了日
- 2017年1月28日
- 本棚登録日
- 2017年1月28日
『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』のレビューへのコメント
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