著者の『銃・病原菌・鉄』『人の性はなぜ奇妙に進化したのか』と被る部分があるが、もともと本書が『人間はどこまでチンパンジーか』として始めに書かれたもの。ヒトの進化から環境破壊まで展開される幅広い考察は、著者の作品が初めての人には目からウロコな内容。ヒトはチンパンジーなどと同様「我ら」と「彼ら」を線引きし、古来より「彼ら」に対して排外や大量虐殺を厭わなかったが、移動と通信技術が発達の結果世界が狭くなり、彼我の境界が曖昧になった今日、その傾向も衰微し、事態は良い方向に向かうだろうという趣旨には実感で、特に印象に残った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2016年6月30日
- 読了日 : 2016年6月30日
- 本棚登録日 : 2016年6月30日
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