恩讐の鎮魂曲

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本棚登録 : 718
レビュー : 151
著者 :
hito1124さん  未設定  読み終わった 

脛に傷持つ悪辣弁護士の御子柴氏が、今回は恩師たる稲見元教官の事件に立ち向かいます。
ただ今回もまたいわゆる「普通」の事件の構図とはならず、御子柴は彼らしからぬジレンマに悩まされます。
今回の物語の肝は、この御子柴の懊悩にあるように思います。大切な人間のために戦っているのに、その手はどうにも空を切ってばかり。それでも、戦うのか?意味があるのか?苦しむ彼の姿は、なんとも辛いものでした。

事件そのものも陰鬱としたもので、世情を反映した介護施設での事件ということでリアリティがあります。これに違い現実があちこちにあるのだろうと思うと、ぞっとさせられるばかりです。

ミステリとしての意外性…というか、起承転結の付け方はある意味作者らしいと思います。ただまあ若干都合よくアイテムが出てくる感じは否めませんでしたが。

個人的には、シリーズ物の一作として、御子柴氏が三度遭遇した苦難に立ち向かう姿を印象深く読みました。そして綺麗すぎるかもしれないラストシーンを経て、また次作、彼がどう変わるのか(変わらないのか)が楽しみになりました。

レビュー投稿日
2016年5月29日
読了日
2016年5月26日
本棚登録日
2016年5月29日
4
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