沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

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本棚登録 : 1943
レビュー : 231
著者 :
hito1124さん  未設定  読み終わった 

代々受け継がれてきた「ぬか床」を譲り受けたときから始まった奇妙な出来事。いるはずのない人が現れ、奇妙な出来事がつづき、そしてついに彼女は先祖の土地へそのぬか床へ返しに行くことを決意してゆく。
ぬか床、という鍵そのものから独自性を感じますが、奇妙な成り行きな話はユーモア交じりの描写も含みつつ穏やかに丁寧につづられていきます。その静かな説得力にほだされてか、いつの間にかしっくりとその「非現実」を受け入れて読み込めるようになります。
ぬか床が抱えていた自分たちのいわれの深遠さは、くらりとするほど生命の根源にも迫るとてもダイナミックなものです。それに相対する終盤の場面ではこんな根源の問題にこれだけ真摯にアプローチするのか、という感銘を覚えました。
形のみえないもの、今現在ここにないものにたいして、これだけの想像力を発揮してそして面白く読ませるという描写力を思い知った物語でした。

レビュー投稿日
2014年12月14日
読了日
2014年12月11日
本棚登録日
2014年12月14日
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