複雑な事情を抱えて現代を生きる、4人の韓国女性たちの等身大の姿を描いた物語。背景に韓国ならではの事情を色濃く反映させながらも、日本でもどこでも共通する彼女たちの思い悩む姿は共感できるもので、段々浮き上がってくる彼女たちのキャラクタもとても魅力的でした。
美容整形を「三人に一人」がなんらかの形で行っていること、超高学歴社会であること、そして少子化や社会構造のひずみにさらされていること。その無慈悲さすら湛えている社会に、彼女たちは後ろ盾もなくさらされていき、傷を負ってもしまいます。
その傷を抱えながらも、彼女たちがそれぞれのかたちで立ち向かっていく様子がみずみずしく描かれていて、とても好ましかったです。
挑戦してみることそのものに意味がある、その一歩は仲間たちのやさしさと、自分のほんの少し振り絞った勇気でなせること。苦い展開を多く含みながらも、その大切なもののあたたかさに、気持ちがやわらぐような読後感を残してくれました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年6月29日
- 読了日 : 2022年6月27日
- 本棚登録日 : 2022年6月29日
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