大感動。「僕のリーベ」と語りかける旧制高校時代の二人はまるで恋人同士のよう、年月を重ねても互いの存在を慈しみ如何に大事に思っていたかが充分に伺われる。400P程になる私的な手紙をお互い保存していたこと事体が奇跡だ。深い信頼は純粋な文学への憧憬に起因する。二人の手紙のやり取りに、汚れなき文学への愛情を各々の文学の形に昇華しゆく過程をみて何度も目頭が熱くなった。そして先に世に出た北が懸命に辻の発表の場を求め奔走する姿も胸を打つ。北が最大の理解者となる埴谷雄高に辻を紹介するところで書簡は終わる。美しきかな嗚呼友情。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
書簡集
- 感想投稿日 : 2014年1月13日
- 読了日 : 2013年9月16日
- 本棚登録日 : 2014年1月13日
みんなの感想をみる