プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

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本棚登録 : 2482
レビュー : 297
ひとむさん 文庫小説   読み終わった 

人からおすすめされて。
ひらいてすぐ、文調や世界観が児童書っぽくて、なんだか懐かしい気持ちになりました。
話を読み終わって、この物語に一貫したなにがしかの「おもいをとげる」ものがあったか、というと、そういったものはとくにないように思います。この物語に明確なゴールはありません。ただ、ふたごに終止符が打たれたという、それだけ。
テンペルは手品師に、タットルは郵便配達夫とそれからとうさんの仕事のプラネタリウムの解説員になって、別々の道を歩むことになります。
外を巡る者と地元に残る者、舞台に立つ華々しい仕事と「まあまあ」な仕事。それぞれ正反対だけど、人をだましてしあわせにする点は一緒。
ふたごは別々の道になってからというもの、出会う人も事柄も、知識や思想も違うものを手に入れ、それぞれ大切なものを失いました。けれどふたごの根本は変わらなかったなと思いました。
ふたごはとうさんと星空が愛しくて、とてもやさしくて、いたずらがすき。
いつだって、「六本目の指」でふたごはつながっていて、同じ星空を思っていたのだろうなと。
わたしは、サーカスの動物たちが哀れで、いい子で、かわいいです。
人間も動物も、ゆがんだ世界でゆがんだ自分として順応して、けれど芯には太いものをもって生きている。
決して、ハッピーエンドではないけれど、星空の下で強く地面を踏みしめる感触を味わうような、少しさみしくて、あったかい気持ちになりました。
また年を重ねたとき、読み返したいなと思う作品です。

レビュー投稿日
2014年7月5日
読了日
2014年7月5日
本棚登録日
2014年7月5日
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