瑠璃の書の司は碧の王子の番 (角川ルビー文庫)

  • KADOKAWA (2020年9月1日発売)
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感想 : 6

オメガバース、ファンタジー、王子(α)×アレト教ヒラス派僧侶で書の司(Ω)、図書館と本が好きな人々。
ものすごく丁寧に世界を作り上げてる感じ。宗教とか宗派とか入ってくると難しいと思うんだけど、うまい加減のところでお話に絡んでいると思う。
Ωであるがゆえに人生ががらっと変わってしまう事への困惑、悲しさがはじめ読んでて辛かった。僧侶として静かに書に関わる仕事をして生きていきたかっただろうに、いきなり碧の王子の妃。
物語に初めて触れて、ひととひととの巡り合わせや恋愛に憧れもあったかもしれないけど、急展開な人生が気の毒で。
勿論、見初められた相手が、Ωと判明する前から好意的に思っていた相手なのはすごく良かったけど。
Ωである自分を受け入れ、妃としてがんばろうと前向きなナイティスが、真っ直ぐでいじらしい。
周りの、白騎士クランさんや黒騎士ケディンさん、シグレス王子の母(Ω男性でナイティスには姑?)、侍女の人たち、ナトラの競りの男性とその弟、それからナイティスに好意的でない人々、それぞれが短いエピソードの中で身体的または心理的な色々な傷をもち懸命に生きている。そしてそれぞれがナイティスと出会うことで人生を変えられていくのも、すごいなあと思った。
特に、ナトラの書の贋作を作っていたという足の不自由な男性が、腕を買われて写本を作る仕事を与えられるのとか、すごい好きなエピソードだった。
主人公のふたりには幸せになって欲しい。あと、ケディンさん。何かこう、不憫でいい人で、彼の幸せになる姿をみたいな。
レイユス妃をこっそり慕うクランさんも。
スピンとか出たらとても嬉しい!
みずかね先生のイラストもいつもながら美麗だった……(*^^*)

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感想投稿日 : 2020年9月1日
本棚登録日 : 2020年9月1日

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