重度の脳性麻痺で話すことも身の回りのことすらもできないジェマ、14歳。里親の元で同じく里子のフィン(自閉症)とオリビアと暮らしている。介護ヘルパーのサラは一緒に暮らしながら介護してくれている。何も話せない、何もできないジェマだが、読むことも考えることも状況の理解もちゃんとできる。サラも里親である両親も理解している。ただ、サラのボーイフレンドのダンは、ジェマは何もわかっていないと思っている。そして、他の人の前では優しい顔を見せているが、ジェマと二人きりの時はジェマを馬鹿にし本当の顔をのぞかせている。ジェマが誰にもそれを伝えられないことをわかっているから。
そんなジェマの近所で殺人事件が起こる。そして大好きなサラが行方不明になる。ジェマは、その犯人がダンであることに気づきどうにか皆に知らせたいと思うのだが…。
ほとんど動けないジェマが息を吸う事でパソコンを操り会話ができるようになる。実際に今、そういった装置が開発されているという。ちょうど、この本を読んでいるころに参院選で舩後靖彦氏が当選し、眼で指し示すことで会話をすることが大きく取り上げられていた。
そういった技術開発もすごいけれど、様々な障害を持つ子どもを積極的に里子として受け入れる英国の制度に関心した。
日本はまあまだだなあ、と思ってしまう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2019年7月24日
- 読了日 : 2019年7月24日
- 本棚登録日 : 2019年7月21日
みんなの感想をみる