自衛隊の内側から我々に発せられる隊員の苦悩に満ちたメッセージ。ちょっとタイトルと内容はずれているが、どれだけ日本人が防衛に対して低い意識を持っているか、痛感させられる本である。
防衛の拠点となるはずの防衛庁(現在は防衛省だが)が攻撃を受けた場合、警察を呼ぶしかないなど、あまりにお粗末な日本の防衛体制。まさに自衛隊は牙を抜かれた虎である。
革新勢力による、災害救助活動をも含めた自衛隊のすべての活動に対する無理解と妨害などは、読んでいて腹立だしくもある。
これらは、本文中で明言はされていないが、アメリカによる情報支配が確実になされている証左でもある。日本はやはり、事実上アメリカの属国、あるいは被占領国であると改めて思い知らされる。
ただ、著者が自衛官なので無理もないが、本書は自衛隊は善であり、隊員はかわいそうであるという立場が貫かれて書かれているのが気になってしまう。自衛隊の負の部分についても、知ってみたいものである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治・軍事・評論
- 感想投稿日 : 2010年9月6日
- 読了日 : 2008年7月14日
- 本棚登録日 : 2010年9月6日
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