教育という問題に関する独断論と懐疑論に対して、
それらとは違った方法で何らかの答えをだしうるはずではないか、という感度をもつ、
若手哲学者の1冊目。
これは竹田哲学の方法でもあるが、
現象学の「なぜそう感じたのか」という問い方と、
ヘーゲルの「自由ということを互いに認め合う」という条件の下で、
教育という信念対立に陥りやすい領域においても、
一定の「よい」とい原理が導き出せるのではないか、と。
ただし、
まだまだ青い、という印章を受ける。
わかりやすい記述をしようとする意志と、
検証可能であることを目指そうとする態度から、
読みやすくはあるが。
それは、「机上の空論だよ、やはり」というような、
原理論に対して向けられる、「現実」という場所からの視線からもくるだろうし、
もう1つは、本質を掴んでいるがゆえに、
本質から語ってしまうところが、むしろネックになっているというところ。
それは、竹田さんも同じ。
それが何かやはり、演繹的に見えてしまうところがあるのかな、と。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月1日
- 読了日 : 2013年6月1日
- 本棚登録日 : 2013年5月31日
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