凍 (新潮文庫)

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本棚登録 : 1617
レビュー : 245
著者 :
hkmookさん 小説   読み終わった 

読んでいく内に、心が震えて、凍っていた何かが溶けていく感じがした。山野井夫妻のあり方、生き方が素敵だった。

この人だという人に出会えるのは、一生にあるのかな。早く忘れようとしてるのに、ふと思い出したり、何気ない一言を覚えていたり。ずっとひとりで生きていくって思ってたから、心配する対象ができて、こんなにも好きになったことがなくて、自分の普通の状態というか、チューニングがおかしくなってた。自分の器、そんなでかくなかった。壊れてしまってた。自分が回りに伝えてた言葉が悪い意味で繋がって、無意識に突きつけられた感じで、そんなことあるはずないのに、自分は死ねばいいとか、酷い愚かだとか、ごめんなさいとか、思ってしまってた。ほんとヤバい状態だった。やっとひとりで、と思ったのに、いまさらだけど、自分の生き方はどーなんだろうって考えるようになってた。

寡黙になったり、ときどき苛立ったり、そして、二人がスピリットを尊重し合っているのが、かっこいい。

なんとなく「へー」くらいに読んでいた一冊一冊が、すごい。やっぱり、君のセレクトする本はすごいなぁと思う。ぼくは、どんなに満たされて、安全地帯にいたとしても、好きな人が選んだ本を読んでいたいな。そして、そういう人を笑顔にさせられたらと思うけど。。。原点の山に、アタックして、ぼんやり自分の生き方を考えてみる。なにか違う景色に見えてくる気がする。人生の折り返しに新しい挑戦ができる。嬉しい。

今日は、大丈夫だ。ひとりじゃないよ。それは、ぼくじゃないのが哀しいけど。人を引き寄せて、相手の魅力を最大限に引き出す愛で溢れてる。君といることは、みんなの喜びなんだろう。独り占めしちゃいけないんだろう。

君と出逢って死ぬのが怖くなった。好奇心がわいてきたからなんだって、やっとわかった。

レビュー投稿日
2019年6月27日
読了日
2019年6月27日
本棚登録日
2019年6月27日
4
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