ゴールデンスランバー (新潮文庫)

4.11
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本棚登録 : 22743
レビュー : 1710
著者 :
hmgcbntさん  未設定  読み終わった 

伊坂幸太郎の良さが詰まっている物語。

簡単に言えば《伊坂幸太郎いいとこ取り》小説と呼ばせて頂きたいくらいだと私は思う。


テーマとしては「魔王」「モダンタイムス」と近いもので、国家のような巨大で透明で抽象的な掴めないものに挑む、作者の言葉を借りれば“洪水”に抗うものだ。

「モダンタイムス」の中での手がかりを探るところが本作の主人公とも似ていてそこにもビビッときた。

伊坂幸太郎のハードボイルドの一面も見れ、三浦は「グラスホッパー」でいう蝉のようでもあり、王子のような口調の少年も登場している。

学生の頃を振り返る場面では直接似た場面があるというわけではないのだけれど「砂漠」を思い返してしまう。
タイトルでもありビートルズの曲、ゴールデンスランバー(黄金のまどろみ)から「あの頃に戻ろう」という歌詞を度々主人公が聴きながら昔を思っていた。

人間大切なのは「信頼と習慣」
昔があって今があり未来がある
学生の頃の馬鹿みたいなことをしていた時間は無駄ではない、その関係や繋がりを育む大切な時間であった。


とにかく、一人一人のキャラが立っていて、セリフや行動、どれも印象強く感情移入してしまった。独特のセリフの言い回しには思わず毎回クスッとしてしまうのが伊坂幸太郎のキャラクターのいいところだ。
ストーリーよりも正直そこが一番好きだと言えるくらいに。

ただ一つ他の作品との大きな違いがあると感じたのはSF要素がないこと。伊坂幸太郎はSF要素を少しでも入れることで日常にありうることとしている。今回はより現実的なものであるのか、ただページ数も多いのでさすがに詰め切れなかったのか。

もう一度他作品を読んで読み返したくなった。









レビュー投稿日
2018年11月29日
読了日
2018年11月29日
本棚登録日
2018年8月4日
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