プシュケの涙 (メディアワークス文庫 し 3-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2010年2月25日発売)
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本棚登録 : 3080
感想 : 340
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悲しい。のに、温かい。生温かい物語。

最初は榎戸川と由良が事件を追っていくのかと思いきや、全然違った。ある意味由良の復讐劇。

榎戸川達の行動はどう考えても正当化できない。
吉野彼方の顛末を聞いた時や、自ら飛び降りた時の由良の気持ちを考えたら、なんて残酷な筋書きなんだろうと思う。

後半は青春そのもの。名前が益田水衣で謎だったけど、やっぱり、残念ながら吉野彼方だった。

まともに授業も受けずにいる二人でもちゃんと居場所がある。あったのに。
二人はお互いをどう思っていたのかな。

ラストまで読んで、何かあると思っていたのに何もなく、その上前半を読み返してしまった時の絶望感。

前半は由良が突然出てきてなぜあんな態度で攻めてくるのか、なぜ事件に執着するのか理解できなかったけど、真相を探っている時の由良はそれはそれはやるせなかっただろうな・・・。
吉野に蝶を描いて欲しいと言ったことも後悔したのかな。

吉野彼方が死ぬのは分かっているのに、後半のエピソードはそれを想像させないくらいの少し幸せな日常。ラストの吉野彼方の健気さが涙を誘う。
人ってこんなに予期せず運命が決まってしまうのかな。

この話に続編があるのは意外。
(20150216)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家さ行
感想投稿日 : 2015年2月16日
読了日 : 2015年2月16日
本棚登録日 : 2015年2月16日

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