「しかし自分の中にいる極端なエゴイストに言わせれば、自分にとっては先生が俳句がうまかろうが、まずかろうが、英文学に通じていようがいまいが、そんな事はどうでもよかった。いわんや先生が大文豪になろうがなるまいが、そんなことは問題にも何もならなかった。むしろ先生がいつまでも名もないただの学校の先生であってくれたほうがよかったではないかというような気がするくらいである。先生が大家にならなかったら少なくももっと長生きをされたであろうという気がするのである。」
寺田寅彦随筆集第3巻(岩波文庫)より
『吾輩は猫である』に出てくる水島寒月君が寺田寅彦である。
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- 感想投稿日 : 2020年1月1日
- 読了日 : 2019年2月5日
- 本棚登録日 : 2019年2月4日
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