武道館

3.46
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本棚登録 : 2011
レビュー : 319
著者 :
穂高 一弦さん  未設定  読み終わった 

アイドルの女の子達が武道館に立つ為に頑張る姿を描いたよくある話かなと思っていたが、違った。大きな感動や驚きのある話ではない。
同じアイドルとして彼女達六人は羽ばたいた。けれど、全員がずっと同じ道を歩むことはない。アイドルの前に皆、一人一人が女の子であった。

愛子と大地の関係がとても好ましかった。ライバルが現れて仲をかき乱す展開は容易に想像できたがそんな心配も無用。憎いねぇ〜と思うほど二人の絆は強い。この歳でこんなに情熱ある恋愛(果たして恋などと浮ついた表現をして良いのか悩ましいところ)が出来るのもある意味才能なのではないだろうか。
愛子は人として、アイドルとしてではなく、彼女自身が数ある好きなものから一番大事にしたいものを選んだ。世の中の正解ではない、彼女にとっての正解でしかない。周りには自分勝手に見える。しかし他の誰でもない、彼女の人生の選択。世の中の声に従う人形になれば、アイドルでは居れてもそれはもはや彼女ではない。愛子以外のメンバーも自身で選択していったのだろう。だからこそ、1期生は集まり武道館のステージに立てたのだと思う。
自分の大切なものをしっかりわかっている人はやはり強い。選んだ先が間違いじゃないと、自身が納得できる結果であるとわかっている。

愛子を中心としていた話が、観点を変えたことで最後はグループの物語になった。愛子の視点で終わっていれば『武道館』は剣道の試合を見に行ったあの武道館になっていただろう。もしくは題名が違っていたかもしれない。
読んでいる間ずっと内容と題名の違和感にもやもやしていた。観点が変わった瞬間の嫌な感じ、何故最後の最後で?と思った。しかし読んだ後は納得。計算されての内容であれば、そこはとても評価したい。

レビュー投稿日
2017年5月15日
読了日
2017年5月13日
本棚登録日
2017年5月15日
3
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