川上弘美のデビュー作である『神様』は、人間の言葉を話す熊が魅力的な短編であるが、このリメイク版。3.11の東日本大震災後に書かれた本リメイクでは、通常版の「神様」で繰り広げられる熊との日常生活が、原発事故などの影響により、捻じ曲げられる様子が描かれる。しかも、通常版とリメイク版が両方収録されているため、比較しながら、福島が失った日常生活とは何か、が静かに描かれている。
決して声高に叫ばれるわけではないけれど、静かな怒りがここにある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2015年4月7日
- 読了日 : 2015年4月6日
- 本棚登録日 : 2015年3月8日
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