探偵チームKZ事件ノート 卵ハンバーグは知っている (講談社青い鳥文庫)

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レビュー : 6
著者 :
ユイさん  未設定  読み終わった 

きた・・・っ! これ、きた・・・、出た・・・、なんちゅうか、こう・・・!

前3作までは、「原作、藤本ひとみ」と、いいながらも藤本氏が書いた文庫を実際に読んだよね(30年くらい前に・・・)、ちゅう状態やったので、ここからはいよいよ、(原作は藤本氏といえど)住滝氏がオリジナルで書いていかはるわけで、それが吉と出るか凶と出るか、どっちなんやろう~。

とりあえず、タイトルから考えるとちょっと後者の気配するよね~・・・。

と、思っていたら、ドカーンと裏切っていただけましたァッ!!

面白かったス!
面白かったー!!

こうやって読み比べてみると、前三作は昭和臭がスゴかってんなと(悪い意味ではないよ)思いました。
実際昭和に書かれてるんやから平成臭はするわけがないんやけど、この作品からは平成に書かれるのでどうしても平成の設定を放り込まないとあかんようになってくるんちゃうかなー、そこらへんをどうシフトチェンジするんかなー、とも思ってたところは、作家が変わるというものすごいうまいシフトチェンジの仕方やったと思います。

何が違うって、キャラが変わったな。

(あかんやん)


イヤァ、どうやろ。そこは好みやな。
前述の通り、私は彩ちゃんがちょっと好きではなかったので(笑)、住滝アーヤは可愛いわ。さすが男性作家が書いてくれはる女の子キャラ、可愛くなってるわ。

こうなってくると、彩のハーレム状態なこの設定にも違和感があるので、砂原くんを増やすなら女の子キャラも増やしてほしいところやけど、それはムリかな。
藤本氏原作でハーレムでない設定なんてありえへんか(笑。そここそが夢ですから)!


あと、(藤本氏が執筆している)大人向けKZもあるんだよね?
ネタバレが怖いからあんまり調べてないけど、それには小塚クンと上杉クン、黒木クンだけが登場してる?

藤本氏がものすごいいきおいで若武先生を推してくるわりに、人気は上杉クンと黒木クンが二分してるっぽいよなと思っていたら、今回は若武先生のキャラが薄かったことったら・・・。

昭和は若武先生みたいなやんちゃヒーローがはやったかもしれへんけど、平成の現在はちょっとクールで影がありつつ主人公ちゃんを守ってくれる男子のほうが支持されると思われます。
なので、黒木クンと上杉クンが人気なんやろうね。

でもって今回はこの二人がかなり目立ってたと思う・・・。ちゅうか、元々この二人にもいろんなバックグラウンドや設定があったんやろうけど、3冊では全然書けなかったんやろうな。
そこを今後どんどん掘り下げて行ってくれるんやろう。
若武の親御さんが弁護士っちゅう設定も初めてでてきたしねー。

こうやって彩以外のキャラがちょっとずつフューチャーされていくんやろう。
それはそれで、かなり楽しみっす!


あと、この
「いかにも子供向けを狙ったタイトル・・・」
の、わりに、中身はなかなかのかたゆでたまごでしたよ。

いやそこまでハードボイルドではないかもしれへんけど(どっちやねん)、あの、南街公園での山崎クンの騒動に対する上杉クンの結論とか、
「えっ、そういう事件になるの!?」
と、びっくりした。

(残りページ数も少ないのに・・・)


ところでその彩ちゃん。
前3作の彼女はちょっとひくつすぎて、それが好みでないなあと思っておりました。
基本設定はそのままなんやけど、住滝アーヤはモノローグが少ないせいか、ひくつな部分はあんまり目につかなかったかも。

事件の説明もせなあかんから、彩の心中ばっかり書けないという物理的な面もあるんかな。

文武両道で母親に好かれている兄と、無邪気で可愛くてやっぱり母親に好かれている妹の間でどうしても「かわいくない」子になりがちな彩ちゃんやったけれども、例えば新しい学校のクラスでルーム長(いうたら、学級委員ってことよね)に任命されたり(その理由は入試の成績がよかったかららしい)、妹に食べ方について注意したら、まったく同じことをしていた母親がムッとしていたり、という描写があったので、

この子はもしかして、自分が思うよりすごい「できる子」なんやな・・・

と、思いました・・・。
このへんが、藤本氏のキャラ設定と変わったな~、と、思う所以。

対人関係がうまくこなせないのは、彩が不器用やからというよりも、彩に対する嫉妬なわけやな、と。
こういう妬みって決して自分が悪いわけじゃないから、たしょう上から目線でいなせばいいのに、それをうまくかわせないところが、黒木や砂原から見たら「まじめ」で「かわいい」ところなんやな、と。
自分の魅力と存在感を自覚してない可愛い子って、そりゃまあ、もえ処たっぷりですやんね。

なるほどなるほど。
ひくつなだけの主人公より、こっちの設定のほうがよほどいいなと思いました。

今後はそういうキャラでお願いしたい。


案の定、新しいクラスでもアホっぽいイヤ面倒臭そうな女子グループにねたまれてるけれども、途中で彩は事件のことが気になって、女子グループのことがどうでもよくなってんのね。
これよね~。
私が(子供らに)求めているのはこれ!

学校てとにかく、そこだけが世界のすべてになるのはわかるけれども、学校は世界のほんの一部なのよね。
だから、学校に居場所がなくてもべつにええのよ。
他にあれば!
やりたいことが他にあれば、それでいい。ちゅうか、学校にしかなかったら今度は学校を卒業したら宙ぶらりんになりがちやしな。

でもって、自分のなかにやりたいことや夢中になることがあれば、ほかのことは些細なことに感じるし、また、他人から見ても隙がない。
やっぱり、一本スッと芯が通ってしっかりしてるように感じるのよね。
ほしたらしょうもないちゃちゃをいれられる隙もないのよ~。

今回は、彩のこういう態度もスッキリしました。



んで巻末の1ページに駒形氏のイラストによるKZのキャラ紹介が載っていて、そこでよく見たら
「あれっ、この子たち、みんなファーストネームに『和』の字が使われてんのか・・・」
と、ようやく気づきました。

あっ、せやから、KZなん???


今頃!?




いやいや、だってKZってサッカーチームの名前よね? しかも小塚クンは入ってないよね?? 関係ないよね??

ちゅうかそこが伏線なんやったら彩にも「和」の字を入れてあげなよ・・・! そこがハーレムぽい

しらんかった~。作中でもわりと苗字を呼び合うから、ほんま気づかんかったわ。

(2016.03.19)

レビュー投稿日
2016年9月17日
読了日
2016年3月19日
本棚登録日
2016年9月17日
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