王とサーカス

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本棚登録 : 3248
レビュー : 515
著者 :
hollyhocksinさん ミステリー   読み終わった 

王とサーカスという題名に象徴されるが、この本にはミステリーという範疇を超えた深みを感じた。
今まで、テレビや新聞で事件を見聞きするたびに感じる、引っかかりが何なのかを、この本は伝えてくる。
「悲劇は楽しまれるという宿命、自分に降りかからない惨劇はこの上もなく刺激的なこと」ラジュスワルの言葉は潜在的な認識を表にださせた。
知は尊いとした時に、では知の意味は何か。多くの人たちが、それぞれの視点で書き伝える事で、この世界がどういう場所なのかがわかっていく、完成に近づいていく事で、自分はどんな世界に生きているのかを認識できると、万智は悟るが、「尊きは脆く、地獄は近い」という八津田の最後の言葉は、重い。何事にも表裏があり、信念や使命感が必ずしも正しいものではなく、間違った道しるべになる事を歴史は示している。
本の中でのサガルの行為は、真実が持つ深い影ではないだろうか。
作者の文章はとても巧みである、ちょっとした描写、食事、カトマンズにいることをリアルに感じさせるとともに、舞台の小道具のように意味を持ち、やがて繋がりを読み進めめるうちに感じ始める。
一気に読み終えてしまった。

レビュー投稿日
2018年7月6日
読了日
2018年7月6日
本棚登録日
2018年7月5日
3
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