光圀伝

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本棚登録 : 2993
レビュー : 536
著者 :
hongoh-遊民さん 歴史小説   読み終わった 

「生涯に、この本と出会って良かった」と思える本の一冊!700頁余の大部で、読み終えるのに一苦労かと思ったが、光圀の世界に浸り、次々に読み進み、最後の頁をめくるのも惜しくなる、もっと光圀と付き合っていたい、そんな気持ちにさせる良書である。光圀といえば、助さん格さんを従えた水戸黄門、あるいは大日本史の編纂者ぐらいの知識しかなかったが(葉室麟の「いのちなりけり」の冒頭に光圀の紋太夫上意打ちの場面があり、光圀の別の面のある予備知識はあったが)、この作品によって初めて光圀の全体像を知った。類まれな資質に恵まれた光圀は、さらに良き理解者、優れた仲間に囲まれる。頼房、頼重、泰姫、読耕斉、保科正之、等々。なかでも、左近のなんて魅力的な女性なことか、思わずほれぼれしてしまう。そしてひたすら大義に邁進する。しかし、多士済々に恵まれながらも、やがて彼らと幽明境を異にせざるを得ず、ひたすら死者を見送るばかりの後半生。光圀の哀しみ、そして苦悩、光圀の心持はいかばかりか。読みながら、無人の泰姫の部屋の場面では、光圀とともに思わず涙した。
比類なき才能の渋川春海、豪放磊落大義のひと水戸光圀。何ともスケールの大きな英雄を、我々に呈示してくれた冲方丁氏は次にはどのような人物を登場させてくれるのか。

レビュー投稿日
2012年10月5日
読了日
2012年10月5日
本棚登録日
2012年10月2日
6
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『光圀伝』のレビューへのコメント

しをん。さん (2012年10月11日)

>「生涯に、この本と出会って良かった」と思える本の一冊!

凄いですね♪今、映画化されている天地明察の冲方丁さんですよね(●^o^●)
私は、天地明察か、光圀伝どちらから読むかを迷っていたのですが…。
hongoh-遊民さんのレビューを読んで面白そうなので早速図書館で予約します(笑)

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