下町ロケット ゴースト

著者 :
  • 小学館 (2018年7月20日発売)
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本棚登録 : 2838
感想 : 323
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『下町ロケット』は、文庫化を待っていられないお気に入りシリーズのひとつ。
単行本にしては、廉価であり、迷わず購入(笑)
佃製作所に次々と迫る幾多の試練、それを一つ一つ克服し大団円を迎えるという毎度お馴染み勧善懲悪のパターン。
それでも著者の小説に、読者は魅了せずにはいられない。
書中、佃と彼の会社の従業員との会話がある。
「ひとが好くて、商売下手。それが社長のいいところですが」
「成長のために道義を曲げることなく、堂々と人の道を行く。こんな馬鹿正直な会社があってもいいんじゃないですか」
「社長は、儲かるかどうかという以前に、人として正しいかどうかという基準で経営判断されたんです」
社長と従業員のこんな会話に、読者は皆カタルシスを覚えることだろう。
最近の新聞で、企業の不祥事あるいはデータ偽装・改ざんのニュースを見るにつけ、なおさらの思い。

裏表紙に、早くも第4弾が今秋発売予定との宣伝があったが、読み終えて納得。
本作で完結ではなく、次巻へ続く前篇だった!
ギアゴーストの二人を始め、佃製作所が今後どのようになって行くのか、今から刊行が待ち遠しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 企業小説
感想投稿日 : 2018年7月27日
読了日 : 2018年7月25日
本棚登録日 : 2018年7月27日

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