幸せの条件 (中公文庫)

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本棚登録 : 1399
レビュー : 149
著者 :
hongoh-遊民さん 現代小説   読み終わった 

著者が、リサイクルライフに興味を持ったのが、この作品を書く動機だとか。
さらに、3.11の震災と原発事故が、著者の背中を押したそうだ。
減反、高齢化、待ったなしの農業問題に焦点を当て、その魅力(もちろん過酷な条件は都会に比べるべくもないが)や必要性を描いた一方で、食料自給率についての政府のまやかしを、登場人物に批判させている。
そして、福島第一原発は、東京電力の施設であり、関東の人がその恩恵を享受しているのに、被害を受け農地を奪われたのは東北の人々だと、訴える。

「農業小説」ともいえるこの系譜には、テレビドラマにもなった『限界集落株式会社』(黒田伸一著)や、主人公の青年が、米つくりに出会い成長していく『生きるぼくら』(原田マハ著)などがある。
題名とも関連するが、いずれも都会で自らの立場を見出せない者たちが、農村で生きる意味を見つけるサクセスストーリー。
「あなたが会社に必要とされていないのではなく、あなたにこの会社が必要ではないのだ。あなたのいるべき場所は他にあるはずだ。」―登場人物の言葉。
もっと、広く読まれるべき作品の一つといえよう。

レビュー投稿日
2016年8月15日
読了日
2016年8月15日
本棚登録日
2016年6月13日
7
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