日本のいちばん長い日 決定版 (文春文庫)

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本棚登録 : 1407
レビュー : 160
著者 :
hongoh-遊民さん ノンフィクション   読み終わった 

確か数年前、本作がテレビでドキュメントドラマとして放映され、玉音放送の原盤の争奪や一部の塀の反乱があったことは、覚えていた。
今回、原作を読み、フィクションよりもサスペンスフルで緊迫感があり、ノンフィクション以上の歴史の面白さ(歴史に対して不遜な言い方だが)を味わった。
歴史の不思議、いくつかの偶然の重なりがもたらす歴史の必然ともいうものに、思いを新たにした。
 もし、玉音盤を他の誰かが保管していたら、…
 隠し場所が明らかになったら、…
 そしてそれが叛乱兵に奪われていたら、…
8・15は無かったかもしれないし、戦後歴史は違った様相を見せていたかもしれない。
スピードを増す列車が急停止すると、死傷者が出てしまう。天皇および内閣が決断した戦争終結をめぐり、玉音放送の前ばかりでなく、15日以降もこれほど軍人の叛乱があったとは・・・
片意地を張った正義(先の大戦では国体護持という言葉)が、どれだけの災禍をもたらすかということを再確認した一書である。
そして、歴史の転換点には、将来を見通す洞察力と先見性、ゆるぎない信念を持った指導者が必要であることを再認識した。
天皇陛下の決断、鈴木首相の老獪さ、阿南陸相の潔さ、米内海将の聡明さ、彼らの存在なしに8・15を語ることはできない。しかしながら、歴史を作るには、彼らを取り巻く幾多の人々(本書の場合で言えば、宮内庁の人々、放送局の局員たち、そして組織に則った軍人)のたゆまない努力、献身、支持なしにはあり得ないのは勿論である。
今後の日本、さらに世界の来し方行く末に思いを致す人ならば、本書は必読の一冊と言えようか。
今夏に映画化も予定されているようで、どのような映画になるか、楽しみとしよう。

レビュー投稿日
2015年3月5日
読了日
2015年3月3日
本棚登録日
2015年2月23日
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