高慢と偏見 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2017年12月25日発売)
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感想 : 3
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バランスの取れた新訳。どの訳書が良いか迷ったらおすすめできそう。
恋愛小説と見なすにはもったいない英文学で、改めて読むと、現代にも非常に示唆を与える作品だと思う。
一見すると女性の結婚までの物語だけど、著者オースティンが非常に保守的な立場であったことにも納得の、非常に人間の父性的な側面が強調されているように感じた。また発言内容などインターフェイスだけ追えばヒロインの女性(エリザベス)の父親は無関心で頼りない存在、母親は感情的で知性のない存在、と読んでしまいがちだけれども、物語のプロットを追えば父親は情に根ざした人間的な人物で、母親の方が権威や常識を重んじる形式的な人物にも思えてくる。
人間の重層的な面を見事に描いており、さすが「偏見」がタイトルに入っているだけある。当初予定していたタイトルは「第一印象(First Impression)」だったというのにも納得。
言わずとしれた名作なので、読んだ後は英文学を専門とする研究者の評論をインターネットで読めるのも楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月24日
読了日 : 2022年7月24日
本棚登録日 : 2022年7月24日

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