本書は、温泉や周囲自然環境の医療効果、特に予防医療としての意義に焦点を当てている。
ヨーロッパにおける温泉療法との比較という観点が本書の特色である。日本における温泉療法は、入浴だけということが多いのに対して、ヨーロッパの温泉療法は、吸入、飲泉、泥欲、温泉周辺地の散策など、温泉をフル活用しており、日本は非常にもったいないことをしているという。その主張は確かに一理あると感じた。温泉は日本にとって医療という観点からも観光という観点からも、重要な資源であり、もっと多様な活用されてしかるべきであろう。
科学的検討によって効果が証明された五種の泉質について解説し、国内外の代表的温泉地を紹介する部分も参考になった。
ただ、温泉療法に関して様々な要素が盛り込まれすぎていて、温泉の医療効果とは結局どういうものなのか、があまり頭には残らなかった。
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- 感想投稿日 : 2018年3月21日
- 読了日 : 2018年3月13日
- 本棚登録日 : 2018年1月28日
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