共同通信社の連載企画をもとに、日本の大学・科学技術政策の現状や問題点をまとめている。
選択と集中や競争重視というこれまでの政策が日本の大学・科学技術の凋落をもたらしていることはよくわかったが、無尽蔵に財源があるわけではない状況の中で、ではどうすればよいかというのは難しいところだと感じた。少なくとも、競争的資金の応募や大学評価等に伴う大量の書類作成などのブルシット・ジョブは研究や教育の障害にしかなっていないと思うので、なくしていく必要があるとは思った。
なお、211頁に「日本酒をテーマに分離融合型の研究をしたい」とあるが、明らかに「文理融合型」の間違いで、文章のプロである通信社が著者で、出版社の校正も経ているのにもかかわらず、こういう間違いが残っているのはちょっと残念に思った。
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- 感想投稿日 : 2022年11月20日
- 読了日 : 2022年11月20日
- 本棚登録日 : 2022年9月2日
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