歌舞伎のぐるりノート (ちくま新書 1007)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年4月8日発売)
3.30
  • (3)
  • (6)
  • (14)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 94
感想 : 12
5

 歌舞伎座の七月大歌舞伎が大人気でどうしても夜の部のチケットしか取れず、昼の部を諦めきれなくて一幕見席を狙って早朝に行っても秒殺で売り切れ(涙)……夜の部までの長ーい時間つぶしのために冷やかしのつもりで入った土産物屋でこの本を発見して購入。おかげで首尾よく時間をつぶせて帰りの電車の中で読了。
 中野翠女史のイラスト入り映画評が大好きで、一時期かなり耽溺していたものだが、洋画をあまり観なくなってから自然と中野女史の文章からも遠ざかってしまっていたことに今さら気づいた。女史が歌舞伎や落語にも造詣が深いことは知っていたが、1冊にまとまるほど歌舞伎評を書いていたとは。
 久しぶりに読んでみると、やっぱり面白い。そしてあまりにも共感ポイントが同じことにも驚嘆した。洋画(というか、西洋人)に対するスタンスは女史と私とではかなり違う点も多いのだが、歌舞伎に対するスタンスはむしろ気味が悪いほど共通している。菊之助が主演した映画『怪談』や今日観た演目の『熊谷陣屋』については私の感想とほとんど全く同じ感想が書いてあってびっくり。昨今の若い女の子の浴衣に対する感想なんかも(笑)。中野さんも八犬伝が大好きなんだって~~?! 私も私も私も!! だから昼の部の第一幕だけでも観たかったんだ~~~!!
 最も共感した一文を引用しておいた。私が歌舞伎や源氏物語やシェイクスピアを愛する気持ちが、まさにそれなのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 私の好きな評論系
感想投稿日 : 2015年7月21日
読了日 : 2015年7月21日
本棚登録日 : 2015年7月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする