羅生門/鼻/芋粥 (角川文庫 あ 2-6)

著者 :
  • KADOKAWA (1989年4月1日発売)
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感想 : 8
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○目次
「老年」/「ひょっとこ」/「仙人」/「羅生門」/「鼻」/「孤独地獄」/「父」/「野呂松人形」/「芋粥」/「手巾」/
「煙草と悪魔」/「煙管」/「MENSURA ZOILI」/「運」/「尾形了斎覚え書」/「日光小説」/「大川の水」/「葬儀記」/注釈・解説/吉田精一「芥川龍之介-人と作品」/三好行雄「作品解説」/年譜

芥川龍之介の青年期の作品も多数含まれているが、なにか熟成したような、人生を俯瞰したかの如き作品になっている。
「老年」や「ひょっとこ」は敗残した人生や「偽」という仮面を被った人生の虚しさや儚さを見事に描いているし、「鼻」・「羅生門」・「芋粥」のように人間のエゴイスティックな部分を描く。

「大川の水」のような俯瞰的に見る作品もあれば、「野呂松人形」・「手巾」・「日光作品」のように芥川自身が等身大で美に触れた作品もある。

また、「尾形了斎覚え書」のような候文の作品が登場するなど、芥川龍之介の引き出しの多さを改めて実感するし、こうした実験的な試みが芥川作品の魅力の一つなのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年2月22日
読了日 : 2016年2月22日
本棚登録日 : 2016年2月22日

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