妖しげで不気味な雰囲気を携える幻想短編集。
終始一貫した独特な世界観の作品の数々に、異世界に迷い込んだ気分になります。救いのない話から、どこかユーモラスな雰囲気のある話まで。
印象的なのは『件』。気付いたら件になっていて村人達から期待の眼差しで預言を待たれるという設定は実際とんでもない話ですが、主人公の開き直りにも近い姿勢が逆に清々しく感じてこの作品群のなかでは一番気楽に読み進められます。
夏目漱石の『夢十夜』と類似していると聞きますが、本作の方が断然禍々しさを感じます。そこが堪らないのですが。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2014年3月19日
- 読了日 : 2014年3月8日
- 本棚登録日 : 2013年1月17日
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