醜聞の作法 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社 (2010年12月21日発売)
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本棚登録 : 215
感想 : 35
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富と権力を振りかざすある好色爺との縁談の計画を知った養女ジュリー。強引に話を進めようとする侯爵を横目に、彼女の育ての親である侯爵夫人は、ジュリーの真の婚約者とともに縁談を壊すため、ある計画を立てる。それは『醜聞』を流すこと。小さく始まった醜聞(ゴシップ)は人と人の間で囁かれ、次第に巨大化し、街全体を覆っていく。

18世紀末フランス版Twitter。現代でもある小さなトピックがインターネットを通して世界中に発信されることを考えると、当時の話という一言では片付けられない怖さと面白さがある。
醜聞を計画する者、執筆する者、広める者、面白おかしく囃し立てる者、踊らされる者、そして当事者たち。喜劇のようなストーリーは主に書簡のやりとりで進み最初は少し読みにくさを感じたが、各々の思惑が絡み合い始めた中盤くらいから先が気になり止まらなくなった。最後はすっきりする落としどころ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2014年4月23日
読了日 : 2014年4月22日
本棚登録日 : 2014年4月19日

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