レ・ミゼラブル〈4〉 (岩波文庫)

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hpsさん 教養作品   読み終わった 

ABCの友たちは暴動を企て飯屋に立てこもった。
マリユスはコゼットへの遺書の手紙をガヴローシュに彼を逃がす目的も込め預ける。受け取ったジャンは喜ぶが、考えて彼も暴動へ参加する。ジャヴェルが捕まっていたが、砲撃手を倒した功績でジャンは彼を撃つ権利を得る。しかし外に出た所で逃がし、空砲を撃つ。ガヴローシュもABCの友もみんな死んだがジャンはなんとかマリユスが撃たれ気を失ったところを下水道へ引き込み彼を抱えたまま脱出をはかる。下水道についての執拗なまでの凄まじい説明と描写。困難を極めたがテナルディエが鍵を持っていて偶然外に出られる。そこでジャヴェルに遭うが捕まえる前にマリユスを家に送らせてくれと頼み、また家にコゼットへのメッセージを残させてくれと頼み家に着くとジャヴェルの馬車はいなくなっていた。良心の呵責に耐えかねジャヴェルは自殺する。
マリユスが目を覚まし養生とともにジルノルマン氏は全てを許しコゼットとの結婚も許し祖父と孫は和解する。コゼットとマリユスは再会し婚約する。ジャンは器用に二人の婚姻や相続財産の中に名を残さぬよう立ち回り、結婚式翌日マリユスに自分が徒刑囚であることを明かす。コゼットに毎日逢いに来るがマリユスはそれを避けるようにさせ、また財産の出処を恐れ使わない。ジャンは苦しみながら会わないようにして病気となり遺書を書く。
テナル氏となる者がマリユスに会いに来てジャンのことを言って金銭を要求する。そこでマリユスはジャンがジャヴェルを殺していないことを知り、また自分の命を救ったことを知り父の恩人であり悪党であるテナルディエに金銭を投げつけ追い払い、コゼットと彼に会いに行く。そこでジャンは最後、幸せに死ぬ。

大作だ。ただの娯楽小説ではなく、フランスで起こった暴動への動機など、当時若者や民衆が抱えていた想いなど社会的な問題にも深く込み入っている。また信仰、善行、無私についてはこの物語に貫かれているテーマだろう。ジャンの生き方には胸を打たれる。またマリユスの父の恩人たるテナルディエと愛するコゼットを巡る葛藤など、深く張られた人間関係の巡り合わせも大変に面白かった。名訳でした。大満足です。

レビュー投稿日
2015年11月7日
読了日
2015年11月7日
本棚登録日
2015年11月6日
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