映画は観ていたので筋は知っていたのですが、映画よりは静かな印象。というか、映画は初めからちょっと奇矯な感じが強いのですが、これは最初は本当にただの寄宿学校かな、と思わせるので、そこまで変に思わず。
そして明かされるクローンとして育てられた人間はオリジナルより劣っているべき、という風潮に対抗する為育てられた学校の生徒であったこと。人種差別ってなんだろう、考えさせられます。映画は生々しさがありましたが、本であるがゆえの押さえられた文章がとても丁寧で、これがノーベル賞受賞作家の書くもの、と唸らされます。

2019年11月24日

読書状況 読み終わった [2019年11月24日]
カテゴリ 現代小説
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読書状況 読み終わった [2019年11月18日]
カテゴリ 教養作品
読書状況 読み終わった [2019年11月16日]
カテゴリ 時代小説

セプテムブリーニさんの論敵ナタフが現れて尚更ちんぷんかんぷん。更にそこに、憧れの女性が連れてきた偉大なるオランダ人が加わり、ハンスは様々に啓蒙され教科され、考えを深めていく。しかしいとこやオランダ人、ナタフが退場していく終盤、物語の行方は不穏になっていく。霊能力のある少女があらわれ、療養所は荒れていく。そして主人公は戦争の為下界へと降りることになる…ラストはなんだかあまりキレが良くないというか、だらだらして終わってしまったなと思ってしまった。ハンス自身が降りる決意をしたとか、あるいは人生を終えてしまうなどすべきだったのではと思うが、最後に「君のこんごは決して明るくはない。」という不穏な予言が、魔の山を降ってしまったハンスと、その戦場での描写にて、 対比するように魔の山の妙なそそりたつ明るさの魅力を印象付けられるように感じた。

2019年11月6日

読書状況 読み終わった [2019年11月6日]
カテゴリ 教養作品

セプテムブリーニさんの高尚すぎるお話がまっっったく頭に入ってこなくて、その部分はだいたい斜め読みしてました。ここ最近本の内容が理解できないことはあまりなかったのですが、また歳を取ったらわかるかもしれない、その時を待とうと思える小説に久しぶりにあいました。もしくは訳が合わなかったのかな…ブッデンブローク家の人々は岩波版で面白く読めたので、次は岩波で読んでみようかな。
でも面白かったです。いとこヨーアヒムを3週間見舞いに来たハンスがずるずる居ついてしまった下界と隔離された療養所の奇妙な世界を彼と一緒に体験していく。特徴的な病人達、風変わりな習慣、独特な気候など、魔の山の不思議な魅力に魅せられていきます。

2019年11月6日

読書状況 読み終わった [2019年11月6日]
カテゴリ 教養作品
読書状況 読み終わった [2019年10月16日]
カテゴリ 時代小説

ショタ陵辱系BL。稚児折檻物?とにかく主人公というか魔性の美少年〜美青年の篠芙が延々と犯される描写が続いて食傷気味。その腹いせに義弟を犯す篠芙もヤバイが7歳から老人にオモチャにされていたら感覚狂うのだろうか。だからってその兄を好きになる明煌くんも謎だなあ。篠芙の犠牲に同情して?にしても特殊な舞台設定で、90年代前半らしい古いBLだった。

2019年10月16日

読書状況 読み終わった [2019年10月16日]
カテゴリ 乙女系

三代目沢村田之助の話。かなりあっさりした田之助です。勿論歌舞伎のえずくろしいあれこれは書かれますが、そんな簡単に手足切っちゃうか〜、狂うまでは書かれていません。ライトな導入。

2019年10月11日

読書状況 読み終わった [2019年10月11日]
カテゴリ 時代小説

猿楽を芸術にまで押し高めた2代目世阿弥の後半生。常に足利義満の虚像に捕らわれ、愛すべき女も愛せない。

2019年10月10日

読書状況 読み終わった [2019年10月10日]
カテゴリ

幼き頃から少年時代を描いた青春小説。感性が鋭すぎてまま置いていかれますが、其処彼処にきらりと刺さる文があります。
ホモセクシュアルである自分を受け入れる日を先延ばし、周りの男達と同様にヘテロセクシュアルであればと繰り返し願う主人公の気持ちが切ない。
でも周りの大人も同級生もヘテロだろうが種々の奇矯な問題を抱えている様を赤裸々な視点で主人公は綴っていく。

訳者あとがきにて、BLとゲイ文学は別、ということを今更ながら改めて認識しました。
続編も読みたい。

2019年10月6日

読書状況 読み終わった [2019年10月6日]
カテゴリ 現代小説

「……そして歴史は続く……」

イーダの長い夜が終わっても、ずっと延々、
ラストの一文がめちゃくちゃ効く。これを読むための長い読書だった、と圧巻の一文でした。

2019年10月3日

読書状況 読み終わった [2019年10月3日]
カテゴリ 時代小説

最初、戦争小説で悲壮な物語なのに、びっくりするほど面白くて、文体の持つそれ自体の諧謔みと、
戦争の悲惨さ、貧困であったり恐怖、無理解、無視、利己などが絡み合って圧倒された。しかも作者は登場人物を(描き方としては限りなくそれに近い)神の視座から見るではなく、彼らに寄り添い、寄り添いきれず分からなかった所は分からなかったとしか書かないジャーナリズムを捨てない。すべての登場人物へ向き合う母親のような、温かくも赤裸々な文体、生々しくて痛くて、でもどこかユーモアで優しい。ここまで登場人物へ愛を持って彼らの心を活写できる度量と才能を思う。

いかにしてイーダはイーダとなったのか、一人息子だったニーノと未亡人となったのか、ウゼッペという父無し児を産んだのか……戦争前から始まる物語の語りの厚みに圧倒された。

しかし登場人物の感情の深化はない。そこだけ、刹那に生きるだけをする戦争前後の人々という描き方なのか、他の著作を知らないので測りかねるが、外的影響に翻弄される戦争被害者達の思考停止とただ生きるのみが目標の動物をみるようで、痛々しく思った。それが戦争ということだ、と日常生活に寄り添いながら、最初にその年に起きた年表と関係ないようで関係ある彼らへの影響を想像させる本の作り、その構成も妙で、明晰な頭脳にどっぷり浸る読書でした。

2019年10月3日

読書状況 読み終わった [2019年10月3日]
カテゴリ 時代小説

怒りで満ち溢れた小説で、またでてくる人物の自己中さに読んでいて不快しか感じなかった。精神レベル糞ガキしかいねえクローズドサークルの闇鍋ってかんじで、ウルフがこれをジェイン・オースティンとひき比べ、怒りで制御しきれなかった作品、みたいに評していたことを思い出し、昔の英国人女性はまじでこの中で上級ならキャサリン、下級ならネリーのような一生を送っていたのかと思うと地獄かよ、と同情を禁じ得ない。
語り手がメイド長のおばさんに終始していて、また書き手はそれを聞いているだけの他人というのがミステリー風味にさせていたのであろう妙な入れ子が面白い手法だった。
読後感は何故かいいという不思議な作品。きっと嵐が丘という暴風雨を読み越し終えた台風一過的達成感なのかもしれない。昼ドラ。

2019年9月20日

読書状況 読み終わった [2019年9月20日]
カテゴリ 教養作品

自分が卑小なせいでエリートが好きになれない…

2019年9月15日

読書状況 読み終わった [2019年9月15日]
カテゴリ 現代小説

「巫女」
神託は、いかに尤もらしく伝えるか。

「テミストクレス案」
何面性もある人物の真意は?

「パルテノン」
如何にしても建てられたのか、政治と建築美と友情の歴史ロマン

2019年9月15日

読書状況 読み終わった [2019年9月15日]
カテゴリ 時代小説

女性の独立を訴える劇的作品。
夫の為に内緒でお金を借りたが、そのことで夫に詰られる…二つの道徳、つまり男性的なものと女性的なものと。
男性的道徳に縛られない為には彼の家から出るしかない、という極端な道しかない時代の作品だが、女性への大きな応援を感じます。
解説にあった「現代悲劇のための覚え書」が興味深かった。

2019年9月9日

読書状況 読み終わった [2019年9月9日]
カテゴリ 教養作品

千々石ミゲルという矛盾を抱えた人物像に迫る作品。魂まで棄教しなければ、誰に言わなくても、誰に理解されなくても、妻にすら。
私は信仰がないので、ここまでさせる力ってなんだろうなあと考えてしまう。

2019年9月8日

読書状況 読み終わった [2019年9月8日]
カテゴリ 時代小説

主人公の篤志は東京育ちだが、祖父母を頼って高知大学に入学。従兄弟の多郎に誘われて戸惑いながら鯨井商店会のよさこいスタッフとなる。そこで、四年前参加したよさこいチームで出会った忘れられない1人の女性を探すことになる。カリスマ的なダンサーやそれぞれの良さがや個性の光るメンバーと、ぶつかったり悩んだりしながら、でも時間は有限、本番まで目まぐるしく過ぎていく。
よさこいを駆け抜ける夏の青春小説。読んでいて篤志の謎の憧れの女性を求める疾走感がきもちよかった!一気呵成で読んでしまった。爽やかで清々しい。あー…晩夏に読むんじゃなかった…夏が恋しくなってしまう。

2019年9月4日

読書状況 読み終わった [2019年9月4日]
カテゴリ 現代小説

「蝶のかたみ」
ゲイの兄弟だが、弟は自分と違うベクトルの為関わることがなかった。しかし歳になり、ふと会うきっかけから不即不離の付き合いとなる。弟の知り合いとも親しくなり、彼の生活を間接的に知っていく。
その弟の遺した蝶のかたみ。

「バスタオル」
生徒との間の秘事に使われていたバスタオル。封印を解いたとき、その凄まじい異臭に今までの思い出や想いが蘇り圧倒される。

どちらも濃厚な作品です。ひたりとゲイ意識に寄り添う、何とも前時代を反映する仄暗さがあります。当人しか書けない凄みがある。

2019年9月4日

読書状況 読み終わった [2019年9月4日]
カテゴリ 現代小説

中巻に続いて大丈夫かってくらいありとあらゆる捕鯨について語りまくられる下巻、ですがやはりモービィ・ディックを発見してからのクライマックスはものすごい迫力です。追う側も、それに対抗する白鯨も迫真迫る息つけない勝負…。狂信的に白鯨を追うエイハブ船長の印象がもちろん強いですが、それに唯一反論を試みる冷静沈着な一等航海士スターバックが涙を流しエイハブの鯨との心中の予感を悲しむところなど、彼の今までの行動(エイハブを一瞬船のために殺そうと思ったこと)などを思い、男達の物語に胸が熱くなりました。劇的な幕切れでそこはベラベラ語り続けることなく口をさっと噤むあたりも文がうますぎる。古典的エンタテインメント。面白かった。

2019年9月3日

中巻、中々、物語が進まない。洋上である上に、作者が書きたいことを全て書かないと気が済まないくらい饒舌で、もはや訳者の方には脱帽です。すごい、よくここまで語彙を駆使して訳して下さった、と頭が下がる。その語りがいっそ気持ちいいハイテンションで高らかに捕鯨という特殊業を多角的視点から鑑み讃えられています。

2019年9月3日

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