一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

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本棚登録 : 7277
レビュー : 740
制作 : 高橋和久 
多部田さん 全体主義   読み終わった 

ニュースピークの描写に危機感を抱いた。

ニュースピークというものがこの本の中にでてくる。
それは作中の主人公が属する帝国における新しい国語のことだ。
抽象的な多義語がメインで、ある言葉の反対の意味を表現する時には「非~」という接頭語を使う。
つまり「ヤバい」「かわいい」「わかんない」といった多義的な言葉で常に会話する言語なのだ。
そのような言語がもたらす弊害は帝国にとって福音となる。
国家の基本理念は存続と暴力だ。
しかし、反体制的な行動を国民にとられ、それが多数派になるとソ連の崩壊のように文明が崩壊してしまう。
そこで思考を制限するために国家がニュースピークを動員して国民の思考を制御しようとしてくる。

曖昧な多義語では具体的な思考ができない。
文脈や空気によってその曖昧な意味はなんとなく理解できるが、具体的ではない。
真理は具体的なのだ。
具体的でない行為には意味がない。

現状の日本では、曖昧な多義語が跋扈しているので「ああ、これはニュースピークだな」と少し焦燥感を抱いている。

レビュー投稿日
2013年11月29日
読了日
2013年11月29日
本棚登録日
2013年11月29日
8
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