腕くらべ (岩波文庫 緑 41-2)

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本棚登録 : 157
レビュー : 13
著者 :
huematさん  未設定  読み終わった 

荷風ファンなのに、これをどうして今まで読んでいなかったのかという感じ。風俗描写と文明批評と季節感と閨房描写(ポルノ)がほどよくミックスされた傑作。
閨房描写はかなり露骨なので、これは普通に発禁になるんじゃないか? と思ったけど、解説によれば、この岩波文庫版は、戦後に公表された私家版が底本になってるんですね。戦前にこれはさすがに捕まるでしょう。というか、戦後でも猥褻文書に指定されても不思議ないような・・・。
また荷風が忌み嫌っていた当時の俗物たちをこれでもかと登場させるのは、「おかめ笹」とも共通します。
「腕くらべ」がそういった好色小説・滑稽小説にとどまらないのは、「ボク東綺譚」同様、季節の移り変わりを美しくはかなく描写する荷風の筆の見事さにあります。これが書けるのはやはり荷風だけだなあと感心するばかりです。

レビュー投稿日
2012年7月10日
読了日
2012年7月10日
本棚登録日
2012年7月10日
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