文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

  • 草思社 (2013年6月4日発売)
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感想 : 88

大変読みやすい啓蒙書。「ダーウィンが来た」などの動物番組を見ていて、さまざまな動物が繁殖のためにそれぞれ独自の行動を取っていて、おかしな進化をするものだなあと思っているが、実は人間こそ最も奇妙なのではないかと気づかされる。(まあ、ぼくは以前からこの手の本をたくさん読んでいるので、その辺に気づいてはいたんだけど、改めて。)
また、「男が力仕事をして女を守り、女は男に守られて子を産み、育てる」というのもどうやら怪しいことが分かってくる。この辺も面白い。
ニューギニアの狩人たちは、大きな獲物を狙って何日も野山を駆け回るが、苦労して倒した獲物は男たちだけで食べてしまい、家族には与えないという。以前に見たNHKのドキュメンタリーで、太平洋でウミガメ漁をしている男たちも全く同じだった。何日も苦労してウミガメを追って手漕ぎのカヌーで海を旅して、やっと捕まえたと思ったら男たちだけで食べてしまう。実際に家族を養っているのは、女たちが採集する植物性の食べ物だ。
人間の男の行動をよく見ると、いかにも大事な仕事をしているようでいて、実は男たちだけの楽しみのための行動であったり、浮気の機会を増やすための行動であったりするようだ。どうも先進国の都市生活でも、似たようなことは行われている気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年10月31日
読了日 : 2013年10月31日
本棚登録日 : 2013年10月31日

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