やりたいことは二度寝だけ

著者 :
  • 講談社 (2012年6月19日発売)
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本棚登録 : 1001
感想 : 139

ここのところ、せっせと津村さんの小説を読んでいるのだけど、(*^_^*)
初めてのエッセイ。

そっか、津村さんは芥川賞を取られた後、
今でも小説に出てくるようなLO生活を送っているのですね。(*^_^*)
津村さんという人は、私にとってはいい意味でとうの立った女の子代表、なんですよ。

実家暮らしでもちろん独身、仕事でイヤな思いをすることもあるし、こんな時代だからお給料だって労働や学歴に見合ったものをもらっているとはいい難い。でも、狭い範囲ながら友達はいるし、妙に好きでたまらないもの、もあったりする。

そんなに多くは望まずに、「わたしごときが」という思いを常に胸に抱く津村さん。
夜の9時くらいに一度寝て、1時すぎとかに起き出し小説を書く。しばらく書いたらまた寝て、次の日は会社に普通に行く、という日々なのだけど、きっとこんな日常が彼女にとっては自然体で気持ちがいい、っていうことなんでしょうね。

このエッセイについて、
「何も残らないし、ひたすらに地味で意味もないけど、読んでいる間少し楽になった、と感じていただければこれ幸いである。」というあとがき。

クスッと笑って、うんうん、わかるよ、とか、う~~ん、ちょっとその偏愛ぶりって公にするのは恥ずかしくない?とか、そうですね、確かに楽になりましたよ。(*^_^*)

津村さんの小説に出てくる女性社員の全てが津村さんをモデルにしている、とは思わないけど、ちょっと前のめりで危うい感じがするところはやっぱりご本人が出ちゃうんだろうな、と。


テレビの星占いでひどい結果が出た時には、会社の同僚に

私がいやな奴になったら運勢のせいだと思ってください、明日からはまたまともな人間に戻ります、と牽制する津村さん。
そして、同じ星座の中田英寿のことを思い出し、遠い空の下で今ころヒデも困っているのだろう、と“迷惑な共感”を。


津村さんはいつも一所懸命で、ウケをねらっての文章ではないのがよくわかる。
きっとみんなホントのことなんだろう、と思いつつ、少しでも楽に生きれるといいですね、といたわりたくなってしまうのが可笑しいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年1月31日
読了日 : 2013年1月31日
本棚登録日 : 2013年1月31日

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