おぉ~!金井美恵子さん、好きだぁ~!「噂の娘」男性版とでも言うべきり濃厚な香りは、一つ一つの章がまさにピース・オブ・ケーキ。パクパク食べるなんてもったいなくて、ゆっくりゆっくり味わいながら読みました。
語り手は誰なのか?
語られている人たちと語り手の関係は?
語られている時は昭和のかなり初期のようだけど、語っているのはいつなのか?
全てが曖昧模糊としたまま、語り手の目線&語られている人々のあっちこっちに飛ぶ話で物語は進んでいく。状況がよくわからないのに、ドレスの仕立てや当時人気だったらしい映画の話などは詳細でそのアンビバランスに眩暈がするほど気持ちいい。(*^_^*)
で、段々に明らかになっていく大筋は、語り手は今現在作家であるらしい男性で、彼が子どものころ、父親が突然愛人の元に失踪。残された彼と母親は、母親の姉、母の元に身を寄せて、その中に届く愛人からの手紙・・・。
twice told tales のタイトル通り、ある時に語られた話が時を置いてまた別の語り手によって再現されるその不確かさもまた面白いし。
大好きな大好きな金井美恵子さんだけど、トラー亡き今、体調もよろしくないはずなのにこんなに重厚な物語をファンの前に提示してくれるなんて驚いてしまう。
どうもありがとうございます。
大事にしますね!と申し上げたいです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年3月11日
- 読了日 : 2012年3月11日
- 本棚登録日 : 2012年3月8日
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コメント 2件
たまもひさんのコメント
2012/04/17
じゅんさんのコメント
2012/04/17