ソロモンの偽証 第I部 事件

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本棚登録 : 5302
レビュー : 734
著者 :
じゅんさん  未設定  読み終わった 

お、お、面白い~~!!なんだこの物語は~~!(*^_^*)




冬のある朝、中学の校舎から転落して死んだ中学二年生の男の子が発見された・・・。

学校を舞台にした死の話、とくれば、苛め?事件?と、それだけで嫌な思いにとらわれ、また、学校内部のヒエラルキーとか、隠匿体質とか、事なかれ主義とか、勘違い野郎とか、ただの野次馬とか、とにかく心騒がす要素が大きくて、なんとなく避けてきたところがあるのだけど、

さすが宮部みゆき!

そんな通り一遍の事象では考えられない、人間というもの、何かことが起こる時のどうしようもない流れというかタイミングというもの、を奥行き深く描いていて、ひたすら読ませられた。

悪意の人や気持ちが、意識的だったり無意識だったりの形で種々提示されるのだけど、それが腐臭を放ってはおらず、むしろ、とても悲しいもの、身近なものとして感じられるところも非常に面白く読めた。

物語の筋のために、やたら迷惑な人を配置してそれに翻弄される形で話が進んでいく、という小説は多々あるけれど(私はそれがすごぉ~~くイヤ・・)宮部さんの描く迷惑なヤツにも背景があり、本人なりの正義もある、という・・・。そんな人間を、ただ包み込むのではなく、また、糾弾するだけでもなく、“人間”を描いている技量に唸らされた。

主要となって動いている生徒、先生、保護者、警察、マスコミの人間だけでも、かなりの人数なのに、きちんと描きわけられいて、普通、その他大勢の扱いになりそうなちょっとした出番の人でさえ、気持ちの奥にある逡巡や喜び、畏れをきちんと描いているところには、ホント、舌を巻いてしまう。

そして・・・イヤな奴だなぁ、と思って読んでいると、いつの間にか、これって私も持っている要素じゃない?もしかして、私の無意識の言動にこんな悪意が見え隠れしてて、他の人たちにはダダ漏れだったの?なんて、とても恐ろしい想いにかられたり、逆に、地味な存在の登場人物たちにある時瞬間的に光が当てられ、人間っていいよね、と思わせられたり。

これは、第Ⅰ部でもうすぐ第2部が発行、来月には第Ⅲ部、と、続けてとても贅沢な読み方できそうなのも嬉しい。

どんな結末が待っているのか、少年の死の真相はどこに隠れているのか、この中学はどうなるのか、楽しみに待ちたいと思う。

レビュー投稿日
2012年9月16日
読了日
2012年9月16日
本棚登録日
2012年9月16日
6
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