進撃の巨人(12) (講談社コミックス)

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レビュー : 180
著者 :
sayaさん コミック   読み終わった 

人間に戻れた、クリスタは壁教の一族の重要人物
座標、任務 という言葉。
そして、度々出る『故郷』。
先の短い殺人鬼。
ライナーとベルトルトの会話から気になるキーワードが
次々飛び出てくる。
謎がとけてから読み返すと、辛いシーンだ。
どれだけ帰りたいと二人は思っていただろうか。

ユミルは巨人の状態で60年間外をさまよっていて、
人を食べれば人間に戻れるらしいことはわかった。
だが、それだけなら他の巨人は何故人間に戻れないのか。
巨人たちは何故人間を食べ、消化もせず吐くのか。

ユミルの必死の懇願。
ユミルだとわかって攻撃を止めるコニー達なのに
彼女の目的はクリスタを奪うこと。
混乱する中で、相変わらずアルミンだけが
ライナーに協力する気で自分たちはおびき寄せられていたことを
察するのだ。
俺の命に代えてもエレンを取り返すと飛び出すハンネス。


ユミルとクリスタのそれぞれの逡巡は胸が苦しくなるが
対するミカサも心の余裕と時間がない。そのとおりなのだ。
「私に情けを求めるのは間違っている」。

仲間たちの呼びかけに、「誰が人なんか殺したいと思うんだ」
と返すベルトルト。
すべてが嘘じゃない。本当に仲間だと思っていた。
あまりにも辛い叫びなのだ。彼らも辛い思いをしていて
だが誰かがやらなければならないからと任務に徹してきた。

巨人を引き連れたままでいいから付いてこいというエルヴィン。
振り払う時間の余裕が無いからではなく、策略だったというところが凄い。
食われながらも「進め!!」と叫ぶ鬼気迫る形相。
これを受けて、自分の命以外に何を捨てればよいのか考え
アニは拷問されているという嘘をつく。
取り乱したベルトルトをエルヴィンが切り捨てる。
あまりにも凄まじい展開だ。

この中で初めて巨人を倒すクリスタ。
コニーは要所要所で良いことをいってくれるキャラだ。
ユミルはどうしたらクリスタを助けられるのか
どちらにつくべきか悩み始める。本当にぎりぎりなのだ
ということがよく分かる葛藤だ。

巨人を投げてよこすという発想もえげつない。
倒れるミカサとエレンの元にやってくるのが
エレンの母を食べた巨人で、会いたかったと立ち向かうハンネスが
健闘も虚しく食べられてしまうという無慈悲さ。

マフラーを巻いてくれてありがとうと言うミカサが
とても可憐だ。
何度でも巻いてやるといい、しかし勝算もなかっただろうに
素手で立ち向かったエレン。

この時のユミルの逡巡も、読み返してみれば
なるほどという内容である。
ユミルは、クリスタと共に戻る道はなかったのだろうか。
この決意もまた壮絶で辛い。

レビュー投稿日
2019年9月16日
読了日
2019年9月14日
本棚登録日
2019年9月16日
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