
文庫版を再読。
文庫版あとがきにあったヘップナーという作家は、恥ずかしながら存じ上げない。
ただ、『歴史には絶対の視点などなく、関わった人の数だけ視点があり物語があるものなのだ』というのは、中学生の頃風と共に去りぬを読んだ時に感じ、やはり脳天を殴られたような衝撃を受けた。私はそれまで奴隷制度はただただ憎むものであり、奴隷たちが主人と離れたくないと戦おうとするなど、想像だにしなかったのだ。
各々の人生があり、思惑があり、単なる善悪ではわけられぬ。それぞれの正義がある。それこそが歴史、それを作ってきた人間の素晴らしいところであると思う。
何度読んでも深い「物語」である。
- レビュー投稿日
- 2011年3月26日
- 読了日
- 2011年3月26日
- 本棚登録日
- 2011年3月26日