なんくるなく、ない―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか (新潮文庫)

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レビュー : 53
sayaさん エッセイ・旅行記   読み終わった 

写真が綺麗で微笑ましく、素敵です。
沖縄の方らしいレビュアーさんが
「本土の人が抱く幻想の沖縄が書かれているだけ」とコメントされているのを見かけたので、
その辺り私は沖縄も奄美も行ったことがないので判断がつきかねますが
なんとなく似た印象は受けてしまいました。

エッセイというより日記なので、深いことが書かれていたり
これを読めば沖縄について詳しくなれるというより
本土の人であるばななさんの感想が羅列してある感じです。

ばなさんの作品というよりばななさんが好きという
どちらかと言えばコアなファン向けの作品かもしれません。



自然の中では激しい事はいくらでも怒るが狂った事は起こらないというのは
言い得て妙だなと思いました。
確かに自然災害で酷いことはいくらでも起こるけれど、
そこに悪意はなくただ在るだけです。

"歴史の中で翻弄された文化はとても強く残る。"
というのも、反骨精神というか負けてはいけない、残さなくては
と思うからこそ強く残るというケースはあるなと思いました。

食も文化なので、その場所でいちばんおいしく感じられるようにできている。
東京にはどんな国の料理もあるけど地元で食べた方が絶対おいしいというのも
そうかもしれないなと思いました。
旅先で食べる料理には思い出や特別感という付加価値がありますし。

茶道や着物について、本物の世界ははるか上のほうにありその前に金光で趣味が悪く毒々しい上下関係とこねと妬みがあるドロドロを潜り抜けなくてはならないこともある、というのに共感しました。
現代の装道や呉服店の一部が自由に着る物着るだけの自由を奪っているのも同じかなと。

私は多分日本が大好きだったと思う過去形になってしまうことが本当に悲しい というのは私も本当にそうで
私は日本が大好きだと今でも現在形でいえますが
本当に愛した日本はどんどん薄まっていて、歴史を学べば学ぶほど
私の愛する日本という国は幕末までで失われたのかなと思います。

もちろんばななさんが「まともな人もたくさんいる」と書かれているとおり
全くなくなってしまったのではないからこそ生きていけるのですが
東京に住んでいて嫌気が差した人が旅先に癒やしを求めるのは
ありがちでしょう。

それを幻想だ、中身がない、と感じる方には
おすすめできない内容かなと思いました。

レビュー投稿日
2017年2月5日
読了日
2016年7月13日
本棚登録日
2017年2月5日
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