鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

4.04
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本棚登録 : 5434
レビュー : 672
著者 :
夢で逢えたら...さん 万城目学    読み終わった 

万城目さんの書く話は、いつも爽やかで気持ちいい。
登場人物はいい人ばかりだと退屈なので、
アクセントに少しばかり悪意の人間も登場するが、
そこには読者が納得するちゃんとした理由がある。

地震が起こらぬよう地中のなまずを鎮めるため、
神の使者である鹿に「目」を持って来るように命じられるという、
ご他聞に漏れず、これもまた荒唐無稽なお話である。
にもかかわらず、それが全く不自然でなく話にのめり込めるのは、
愛すべき魅力に溢れたキャラクター達のおかげだろう。

山場の一つである剣道の試合のシーンは圧巻だ。
剣道のルールは何も知らない私でも、
目の前で試合を見ているような緊迫感だった。

かのこちゃん然り、鴨川ホルモーの安倍もまた然り、
万城目作品の主人公達は、不思議なアクシデントを乗り越え、
小説の中で成長を遂げる。
本作の主人公も同様に、自分を投げ打ち、生徒を優先して考えられる教師に変貌した。
(その後の成長ぶりは「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」でよく分かる)
社会という大地に根付き、人間的な力強さを身につける、
この成長物語が爽快な読後感の所以だろうな。

レビュー投稿日
2014年4月5日
読了日
2014年4月5日
本棚登録日
2014年4月5日
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