さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫 134-3)

著者 :
  • KADOKAWA (2002年12月1日発売)
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未来には不安が待ち構えている。過去には後悔がたたずんでいる。人生を送るというのは、どんなに難しいことなのだろう――。

未来を垣間見る能力を持つという同級生の何気ない言葉で変わった関係。すべてが終わり、思い出となった今、改めて思う彼女のこと……『未来予報』
小金を持った伯母のバッグを失敬しようとした男がつかんだ手。文字通りのちょっとした手違いによって変わる運命……『手を握る泥棒の物語』他2篇。

封印した、紛失した、奪われたものへの追慕。名前の付かない関係、形にならない願い、叶わなかった思い、見ることのない未来。やり直せない過去。それらのことを考えるときに感じるこころぐるしさ、やるせなさ、胸の底に沈む澱を感じるとき、それを「さみしさ」と呼ぶのではないでしょうか。
そんなことを考えさせられる短編集。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ―乙一
感想投稿日 : 2014年3月23日
本棚登録日 : 2014年3月23日

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