がいなもん 松浦武四郎一代

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本棚登録 : 63
レビュー : 8
著者 :
hy343さん 伝記   読み終わった 

「がいなもん」とは彼の生地伊勢の方の言葉で、(ネタバレかも知れないけど)途方もないヤツとか、とんでもないヤツとかいう意味だそうだ。そのタイトル通りの、破天荒な生涯を綴った一代記である。

16歳で、奉公先の主人の頭巾を無断で換金したのがバレて出奔。以来の、あきれた行動力、収集癖を始めとする奇人っぷり、市井に収まらない大きな魂といったものが、小説形式で痛快に描かれる。

小説は、絵師河鍋暁斎と娘の暁翠(お豊)が一種の狂言回しとなっていて、これが物語に文字通り彩りを添えている。河鍋以外にも、龍馬、海舟なども含む豪華な交友関係も読みどころだ。

蝦夷地に3度も渡り、アイヌ語地名9,800を収集したというのが物語のハイライトではあるが、蝦夷地をくまなく巡り、アイヌたちとの交流を深めるにつれ、やがて松前藩の暴虐や無責任に気が付き、アイヌ政策を巡る軋轢が表面化してくる。

“この幽玄な大地は、(和人ではなく)神とアイヌのものではないか。”・・・単なる探検、冒険ではなかったのである。

レビュー投稿日
2019年6月4日
読了日
2018年10月1日
本棚登録日
2018年10月1日
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