この本を読もうと思ったのは初版が出た頃(2014年)なので、今年のご退位・改元の話が出る前である。このほど、ようやく読んだ。
天皇を軸に、田原氏の視点から日本の二千年の歴史を追う。軸と言いつつその周辺の動きを追って行くわけで、いわば田原通史である。
戦国時代の将軍たちや第二次大戦後の進駐軍はなぜ天皇を殺害したり廃したりしなかったのか。それが基本的関心のようだ。
結論的には、天皇は日本人の宗教である、ということ。
天孫降臨のような「神話」が本当に信じられていたり、信じられている実態を利用して覇権の権威付けを図ろうとしてきた歴史ということである。
実際、昨今には年号はもう止めてもいいんではないかといった論議も一定数あったと思うけど、いざ「令和」が発表になり、改元、新天皇ご即位となった時点で、日本人こぞってお祝いムード・大晦日から新年みたいな浮かれた雰囲気になり、「年号廃止」なんてあとかたもなくなってしまったのを見ると、やっぱり天皇って宗教だわ、なるほど、と思ったのであった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2019年7月9日
- 読了日 : 2019年5月21日
- 本棚登録日 : 2019年5月21日
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